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cross world (閑話)

人はこの地域を『穢れた街』『ならず者国家』『Free state』などと揶揄する。
世界的に比較してみても、中東・アフリカや中南米と並ぶ、アジアでも最も治安の悪い地域だ。
10年前、元々そこにあった軍国主義独裁国家は、自らの政策により滅んだ。理由は簡単、度を超えた軍備拡張とそれに伴なう圧政により、諸外国連邦議会の怒りを買った。その愚考から世界各国からあらゆる攻撃を受けた。経済・流通は完全に断たれ、外国への移住国民、観光中の国民は自国への強制送還及び入国規制を全国が行った。結果、その小国が生き残る道は、『融和政策』か『侵略戦争』の2択となった。
小国が独自開発したという核ミサイルを使うか使わないかの瀬戸際まで追い詰められた。 
愚かしい事に、その小国の独裁者は陳腐なプライドを守るために、自国民を切り捨てたのだった。 3発の同時発射された弾道核ミサイルは成層圏で自壊、と同時に諸外国の防衛迎撃ミサイルによって撃墜され、あっさりと数千億円の税金は『開戦の花火』と化した。
戦端を切った小国は隣接国への侵略を開始・・・。連邦国はその国の独裁者を戦犯と認定した。
独裁小国が消滅する決定事項であった。
しかし、国連の攻撃は実は緩やかなもので殆ど消耗していないのであった。
侵略に出たはずの軍隊は隣国の境界にて投降したのだ。プロの軍人ならば自国と相手国との戦力格差は見て然るべきだ。ほぼ全ての部隊が投降し、機密情報を手土産に自国へと攻め入る援助をしたのである。愛国者であれば尚更自国の膿(悪政)を嫌うのは道理だった。
正規軍がそのまま反政府軍となって国連軍に鞍替えをしたのだ。 守る者の居ない独裁者と官僚達は逃げ、身を隠す以外に方法はなくなったが、全員あっさりと拘束され、戦犯として自国民によりあっさり処刑された。
国連は独裁政治を叩くまでが仕事であり、それ以上の介入は出来ない。残された国民が民主的に代表を取り決め、平和的国営を掲げるのを促し導いた。
まず大統領として選任されたのは、本来外国人である「ラペトヌ・シェルキア氏」であった。
彼は自国と他国で一流大学を卒業したエリートで、経済倫理学を専門にあらゆる学問に精通するとして、国民に歓迎され多くの指示を得た。
それに伴なって、各国からの大使館設営や、生産知識や技術、物流・流通・運送などのノウハウを大々的に受け入れた。
コンセプトは「自由なる自立」をスローガンに外国人の移民や移住労働と同時に、それ目的の出国なども推し進めた。
産業革新は目覚ましかったが、同時に治安の悪化も酷くなっていったのだが、建国したばかりでそこに費やす予算などは微々たるものである。
現任大統領であるラペトヌ氏は日々頭を抱えていた。
外国人の流入は悪いことばかりでは無いのだが、こうも犯罪が多くなるのも困りものである。だとして、閉め出せばここまでの繁栄はなかったのも事実である。国連からの援助金はありがたいことであった。
現在の犯罪件数を放置するわけにもいかないが、自分の任期が終えるまでは何とか政策を考えなければならない課題であった。
そこで、『合法』と『非合法』を明確に区別する倫理の位置付け以外に今の自分には出来ないと彼は感じていた。
彼は思う「自由なる自立」を掲げる以上、国民もそれに従い、自制や自重をすべきなのだと・・・。
その思想は多くの国民や移住者に支持されていた。
貧しい者は、自由な発想を駆使し、自由に商売が出来るのが魅力的である。風土が嫌なら他国へ行けば良い・・・従来の搾取型独裁国家では絶対に出来なかった事だ。
富裕層の感覚でも、『法に触れなければ何をやっても自由』という事なのだ。 それはつまり、取締りが出来ない所でその痕跡さえ残さなければ、それは何をやっていてもOKと言い換える事が出来る。明るみに出ない範囲の自由は富裕層にとっても居心地が良いのだ。
まだ建国年数の短さと、田舎としての皮肉も込めて、国民は『自由共和国・Free Country』と呼ぶ。


10年前のニュースで連日放送されていたこの国の事柄を反芻して物思いに耽っていた。
方や、傍らでは監視カメラの映像を観ながら、どう見ても幼女と見紛う年増女が手淫に耽っていた。
「おい、人目も憚らずマスターベーションをするんじゃない。お前の仕事は『過剰行為の監視』だろ!」
「だって、あんたが頑なに相手してくれないから、仕方なく自己満足させてるんでしょう」
そう言って女の匂いをプンプンさせた指を開くと、塗れた愛液が指間に糸を引く。
「俺はお前の性欲の捌け口じゃない!」
「あんたもボケーっとして何もしてないじゃないのさ」
「俺はオーナーだぞ!お前の雇い主だ!ユーアンダスタン?」
そう問い詰めるとシビエナは口を3の形にして押し黙って、指をチュパチュパ吸っている。 コイツ頭良いはずなのに変なところでアホだよな?
俗に『賢い』と『聡い』が字面は似ているが意味が全く違うって事なんだよな。
シビエナに至っては『超賢いが他が壊滅的』と言えるだろう。『賢い』は勉強や記憶、応用力で頭を使う部分だ。その点、エストは『聡い』のだ。聞けば元々奴隷上がりであったため、学業面の知識は無いものの、理解能力が高く、目端が利き、面倒見も良い、自分の仕事をよく理解し、効率よく忠実にこなすのだ。彼女の『聡さ』は実体験に裏打ちされた経験値がそれを可能にしているようだ。
日本に居る時にも感じていたが、履歴書って何の意味があるのか理解が出来なかった。
学歴・職歴が人事の評価視点とする会社ってどうなんだ?と思う・・・。
今の俺はオーナーで、少女達を働かせている立場だが、仮にこの店が会社だった過程しよう。
履歴書を送付されても俺としては写真の見た目と名前年齢意外に選考基準が無い。経歴とかを読んだとしても、そいつの人格や人間性なんかは推測する以外に方法が無い。話もしていない人物の人となりを勝手にイメージして勝手な先入観で接するはめになる。そして面接時に都合のいいイメージとのギャップで候補から外す。実は有能な人材であったとしても判断材料がないからだ。
そいつがどの位真摯に働いて頑張れるのか、また、逆にそいつの破天荒ぶりや、サボタージュの度合いなど履歴書には全く書かれていない。てか、項目がない。
なんと言うか・・・メリットが感じられない変なシステムだなと失笑を禁じえない。現在に至っては簡単にコピー可能な印鑑とか全く無意味だと思っている。
履歴書なんて嘘だらけで幾らでも書けるのに、雇用側はそれを一方的に信用しなければならない。
経歴詐称なんてバレて初めて問題になるだけで、言及されて明るみになってないだけが大半だ。それに、詐称があったとしても、その人物が在籍している事によって会社に利益があるならば、詐称など意味が無くなる・・・と、いうか履歴書自体には全くと言っていいほど意味が無い。
 俺の店では、履歴書には書きようがない『聡さ』を備える求人なのに、一番大事な部分が欠落しているのが履歴書だ。外国人雇用者が見てもそれはレシート程度の価値しかない。笑ってしまう文化だ。己の半生を込めた履歴書は紙切れ同然の価値しかないのだ。
だれもソコを不審に感じて、システムを見直そうとしないのが不思議でならない。
会社は国の縮図とはよく言ったもんだ。労働組合毎に記入内容フォームを変えれば少しは利便性が生まれるかも知れんがね。
ま、今の俺は母国を見限った流れ者だから関係ないんだから別になんとも思わない。思いたくない。

思えば、俺はそんな停滞する日本が・・・国民性が、嫌になってここに来たのだ。
選挙の投票率が悪くて投票権年齢を18歳からに下げた報道をネットで目にしたが、その時は笑い過ぎて片腹痛かったな。
政府はとんだ勘違いをしている。根本的に間違っているとも感じていないのだろう。それは政治が民意を軽視しているからこそそう感じるのだろう。
投票率というのは、国民の政治への関心の表れだ。
投票率が低いという事は、国民は政治に無関心だと言うのはいささか短絡的に考え過ぎだ。
実は政治に関心が無い訳ではない。腐った政治に愛想を尽かれているのだ。つまり、国民を軽んじた結果、国民から政治家は軽んじられているのだ。
誰が政治をしても政治家は国民を食い物にする『搾取の対象』でしかないと思われているのだ。言い換えれば悪党の代表を選ぶ選挙に映っている事だろう。そんな選挙に誰が行くのか…。投票率が悪くなるのは政治家の自業自得である。
打開策は政治へのイノベーションだ。正解は『選挙権の対象年齢を引き下げる事』ではなく、『政治の信用を取り戻す事』だ。先ずは『政治家及び公務員の不正・汚職、公費の私用を厳重に取締り、違反者は国家反逆罪として処分する』くらいしなければ、国民は納得しないだろうし、政治への関心と信用は取り戻せないだろう。ノーリスクで国民からの支持は貰えないんじゃないのか?
全く、雁首揃えて無能な連中だ。
海外暮らしの俺には一切関係ないことだが、斜め上をいく報道でなかなか面白かったな。


この街は開放的な様でいて、実のところは閉鎖的だ。
定住者には暗黙のルールみたいなものがある。街には街の不可侵領域が存在する。
知らずに踏み込もう者ならば人生はそこで終わりとなる。無知が己に身を滅ぼすのだ。
平和で安定的な生活に慣れ浸っていた日本人が観光気分でこの地に足を踏み入れようものなら、数時間で命が吹き飛ぶ。何故ならば、日本人の大抵の人達は自分たちの生活環境を照らし合わせて、自分のモラルや常識をこの地の住民に押し付けるのだ。自分の正義感で他者を推し量る。それによって他者を改心させようとする傾向がある。愚かしい事だが、大半の日本人は『自分の正義感で他者を否定』するのだ。国民性なのだろうが、そんな事をこの街でしてしまえば、朝美さんの仕事が増える事になるのは明白だ。
『目障りだから消え失せろ』と銃口を向けて警告してくれる善良な住人など居ない。銃口を向けられた時点で、もうそいつは確実に死ぬのだ。街の現状や気風だけを知っただけの観光客が相手ならば尚更その引き金は軽い。
日本人ほど危機管理が希薄なのだ。スイッチがあれば押したくなるらしい。それが例えどデカい地雷であってもだ。
自分の安全が保障されているのと勘違いして軽率な行動をおこし、結果として墓も残さずにこの世から消えるのだ。
勿論、日本人全員がそうではない。俺や朝美さんや叔父の様なアウトサイドの人種は上手く折り合いをつけているし、真白や葵の様に売られてここに流れ着く日本人も居る。
流れてくる余所者は全員街に淘汰される。 ここでは正義感やモラルなど糞の役にも立たない。自分と相手の利害関係を知り、折り合いをつけられない者は街に殺される。
 どんな場合でもそうだが、人間社会とはそういうものだ。正義感で飯は食えないし、誰も喜ばない。説教垂れた位で相手が改心してくれると思う事自体が幻想だ。正義なんて無くても地球は回るんだ。
節度という言葉は正義やモラルではない、本来の自分を抑え、自重する言葉だ。 その節度は歩道の白線1本分の幅しかないのに、血迷って街に干渉しようとする者が絶えない。
その大半は『無知からなる身の程知らず』である。
では、この街で生き残るにはどうすればいいのか…。それは単純明快。簡単な事だ。
この街の意志は外道から形成されている。ならばこの街に沿った外道になればいい。いや、どんな事でも同じなのだ。 人間という集団には一定の方向性がある。学校でも会社でも国家でもそれは変わらない。
それを察知し、順応しなければ異物として排斥される。それだけの単純な話なのだ。
知らなければそれに越したことはない。だが、知ってしまったらその関係性をできるだけ多く知って予防線を張る必要がある。関わらないのが一番の良策だが、予防線を張り遅れて巻き込まれる場合もままある。
関係性も知らずに、俄か知識で口出しや関与しようものならバッドエンドのコンティニューなしとなる。
『一部始終を知った上で関わらない』これが人間本来の処世術である。

この国の経済も様々だ。
俺の居る悪党ばかりのこの街も例に洩れず経済は思ったよりもまともだ。
各国からの輸出入の物流機構は意外と届く確率が高い。それでも配達員にチップを渡せばの話だが…。 仮に荷物が届いて配達員にチップを渡さなかった場合、次からの荷物は横領されてしまうのだが、最初に満足のいくチップを渡しておけば次回からは同じ配達員が丁寧に届けてくれるのだ。分かり易い構図である。
女性もちゃんと自活出来ている。
売春が主な仕事だが、ショー・ストリッパーやカジノのディーラー、飲食店の店員、高級ホテルのコンシェルジュなど女性ならではの職種が多い。
男の場合は、更に幅が広い。
うちの娼館を改装してくれた中国人の棟梁は工務店。同じ飲み友達仲間は土建屋や金属加工の溶接工、解体屋、武装警備員と日常生活に密接する仕事が多い。 その反面、マフィアも多く集まっている。エストや朝美さんの所属するマフィア『グランドクロス』はこの街でも指折りの勢力を誇る。俺や叔父もその傘下で恩恵に与っている。
対立マフィアは『ギャラクシー』と聞いた。拠点は分からないが港街の奥まった隣街が主な縄張りだそうだ。
この街にもグランドクロスの組員を狙った抗争がちょいちょいあるらしい。
やはり物流関係は特に重要で、末端組員等は物流トラックを狙った強盗もかなりあるらしい。この街の配送業者はグランドクロスに護衛を雇っているのだが、同じ会社でもギャラクシー拠点の街ではギャラクシー組員を護衛に使っているといった具合に、上手に折り合いをつけている様子だ。
叔父などは、畑で収穫した作物を市場に卸しているといったサイドビジネスまでしている。
俺は幼児性癖の女衒、朝美さんは死体処理屋。エストはグランドクロスの武闘派組員兼俺んとこの用心棒。叔父の本業はスナッフフィルムのクリエイターで、シビエナの本業はハッカーらしいが今はエンジニアとしてウチに転がり込んでいる。
…俺の周りはこんなものかな? そういえば、朝美さんのところに居候が増えたとエストが言っていたな…。確か医療関係の仕事をするとか何とか…。
街の意に反するアンポンタンでないことを祈らずにはいられないな。
いずれにしてもみんなこの街の意に沿って根差している訳だ。

これからどんな出会いがあり、どんな出来事があるのか…。
運命の交差は実に面白いな。


cross world 閑話 🈡
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来たーーー♪───O(≧∇≦)O────♪

久しぶりです!生きてたんですねヽ(;▽;)ノ
しかも、クロスワールド!私の好きなやつ!本当にありがとうございます!
また次の作品を楽しみにしています!クロスワールドシリーズを特に!

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