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Cross world. /新天地3

「ぷぁっはぁ~~~~!酒は人類にとって至高の宝やで~ホンマ♪」
なんと云うか…いつに無くハイテンションな朝美さんは今日も酒場でご機嫌だ。
酒場の客入りは上々だ。 いや、俺の店ではないが、俺の店に大きく関わる事項のため、こう言わせて貰った。 例によって奴隷2人を連れて酒場で営業だ。内、片方は真白だ。経緯は1と2を読み返して欲しい。もう一人は叔父から開店祝いとして頂戴した奴隷だ。インド系の長い黒髪直毛褐色肌の少女だ。この子はニナといって、真白と同い年であり、叔父の調教が行き届いているのか、飼い主の俺にも従順だ。それでいて真白とも気が合うらしく、二人でフォローしあったりしている所を良く見かける事がある。
 ニナの方は一般的な性奉仕からSM拷問、果ては処刑まで何でもこなせるマルチな奴隷だが、真白の特技といえば、この間齧った程度のポールダンスと、精々スカトロ位までだ。性奉仕なんてまだまだニナに遠く劣る・・・。だのに、態々営業に連れて来るには、やはり俺なりの訳がある。
場数を踏んだニナでは初々しさが無いと思った。真白はある程度叔父の元で調教されて奴隷としての自覚はあるが、まだ女の子としては開発途中だ。今の真白にとっては言葉の壁も含めて全てが手探りなのだ。オドオドとした振る舞いや、恥ずかしそうな態度に男のリビドーは掻き立てられる…真白に興味を持ったら、その客にニナのようなベテランを宛がえばいいのだ。
真白はその下手糞なダンスも含めて、撒き餌としては十分役に立つから連れて歩いている。
もちろん店の親父にも臨時ダンサーとして使って貰うように許可は取ってある。
早速酒場の客が真白に食いついた。いい感じに酔った男が、ポールにしがみ付いて踊る真白にちょっかいを出し始めた。指笛を吹いて注意を引いているが、真白としては意味がよく分かってないので無視して踊り続けた。無視されてイラっとしたのか、男はズボンに挟んだ2インチバレルのリボルバーを抜いて、真白に銃口を向けた。
「ひっ!?」息を呑む真白は両手を挙げて全身を硬直させた。
「待ちな!ウチの商品にケツ穴増やす気なら、あんたの頭に涼しい孔が空いても文句はないよな?」
男が撃鉄を上げる前に後ろから声を掛けると、男は引き金から指を離して銃をテーブルの上に置いた。
「待て!話をしよう!」
今度は前を向いたまま男が両手を挙げた。俺は銃を向けている訳ではなかったが、勝手に男は勘違いしている。それを朝美さんが見てゲラゲラ笑っていた。
「ああ、話をしよう。この子はウチの性奴隷でな、1時間100ドルで客をとらせているんだが?」
俺は男の拳銃から弾倉のシリンダーを抜いて、床へ弾丸をバラ撒き、元通りテーブルの上に返した。
「100ドルだ?高すぎやしないか?相場じゃあ一晩30ドル~60ドルだろ?」
「ウチの子はHIVの検疫検査をパスしているんだ。高くて当然だろ?買うならあんたはお客様だ。買わないなら…野良犬にも劣る糞野郎だ」
「く・・・今夜は50ドルしか持ち合わせが無い。その子を買うのは無理だ」
「そうか、なら当人に頭を下げて謝罪するんだな。そうすれば先程の無礼は無かった事にするぜ?」
「…くっ!?」
男はプライドと命とを天秤にかけて葛藤しているようだ。いい年の白人男性が、アジア人の子供に頭を下げて謝るのは、自尊心を大いに傷つける事だろう。
「あんたはウチの商品を道路標識と勘違いして銃弾をぶち込もうとしたんだ…。ああ~、徐々に俺もあんたの後頭部がタウンエンドの看板に見えてきちゃったぜ・・・」
「!!・・・す、すまない!俺が悪かった!許してくれ!」
「オ~ケ~。じゃあ、飲み代置いてから、酔い覚ましに歩いて帰ろうか?」
男はのそのそと財布から自分の飲んだ勘定をテーブルに置いて店を出て行った。
「・・・何や何や~♪あんちゃん。知らん間にえらく街の流儀に慣れとんやんけ~w」
男の背中を見送った後で、朝美さんが背中に飛び掛ってきて、揉みくちゃに絡んできた。ぶっちゃけ、どんな酔っ払いよりも面倒臭い。
「かっこえかったわ~ホンマ。なぁ?口ぶりなんか全然ちゃうやんか~☆マスターも見とったやろ?」
「そうだ。マスターすいません。お客返しちゃった」
「別に構わんよ。それに、嬢ちゃん達にゃ、踊り子とウエイトレスをやらせてるんだ。酔っ払いの一人を追い返した位、大目に見ないじゃ天罰が下るってもんだろ?」
「さぁさ!白けとらんで飲み直すでぇ~!…ほら、シビエラも!そんな隅っこでビールなんか飲んどらんと、こっち来てウチの焼酎飲みぃ!ビールなんかピスと同じやで」
待て!今聞き捨てならん名前を言ったな!視線を朝美さんの方に向けると、そこには店番をしている筈のシビエラの姿がっ!?
目が合ってバツの悪そうな顔をした。
「へい!ヘイ!HEY!そこのお前!そうだ!プッシーを飲んでる年増!確かお前は今、店番をしている筈だよな!?なっ?だのに何故勝手に単独で一杯やってるんだ?あ!?」
「・・・さ~~~~~~~・・・なんででしょ?」
ジョッキに口をつけたまま、視線を合わそうとはしないシビエラ。険悪な空気を察してかシビエナはまぁまぁと手を広げてなだめる様な手つきで言った。
「あの~…あれよ、客が来ないな~と思って、ぼけ~~っとしてたのヨ。気付けばなんとここでビールを引っ掛けていたですヨ!…いやはや…世の中、不思議な事があるものですヨ~♪」
「店を空にしてどうすんだよ!」
「それは大丈夫!エストに留守番頼んだからっ♪」
鼻の下にいっぱいビール泡をつけて、にこやかに親指を立てやがった。
「用心棒に店番させてんじゃねぇ!いいからさっさと戻って留守番してろ!」
「・・・ヒマ潰しに店の子いぢめてもいい?」
「駄目に決まってるだろ!」
「そんなギャンギャン言わなくたっていいじゃんよ~。軽いジョークだってばヨ~」
シビエナはカウンターの椅子から降りるなり、口を3の形にして渋々店に戻って行った。
まったく・・・シビエナにも変態客を付けてやりたくなってきた。
「あんちゃんは誰でも彼でも追い返してまうな~。営業妨害ちゃうか?」
朝美さんに痛いトコを突かれてしまった。ツッコミたいのは山々だが少し大人しくしておこう・・・と思ってはいたのだが。
「…なんや?ウチにはツッコンでくれへんのんか?寂しいわ~」
「フリだったのかよ!」
確かに関西系の朝美さんこそ優先してツッコむべきなのだろうが…いや、うん。・・・どっと疲れた。
「おおい!兄ちゃん!この子何ドルで抱けるんだ?」
おっと、ニナに客が付いた様だ。すぐさま値交渉に向かった。相手は旅行者で身なりは清潔、祖国では実直で通っていそうな男性だ。
「ん~…あんたなら性病感染はなさそうだ。セックスだけなら1時間30ドルで良いですよ。SMなら100ドル。拷問なら倍。殺害は勘弁して貰いたいですが2000ドルならいいですよ?」
「え?拷問から殺害まで出来るの?」
旅行者は意表をつかれた表情をして、腕組みをしてどうしようか迷っている。 賺さず懐から写真を取り出して店に待機させている奴隷少女達を見せた。当然、各々で値段が違うので、値交渉を続けた。二ナはどちらかといえば高い方の部類なのだ。気立てのいいニナは客寄せパンダなのだ。
交渉の結果、店に待機中のレイナを指名。SMコースで2時間買った。どうやら予算的な都合らしい。ニナに店まで案内させ、同時に店番をしているであろうシビエナに電話で客入りを伝えた。同時にレイナは接客準備をしている事だろう。
この調子でじゃんじゃん客を引き込んでいくぞ。奴隷の損傷が特に軽い優良客には、次回の割引チケットを配布してリピーターになってもらう様に努めるのだ。この辺りは本国に居た時のノウハウだった。この土地では珍しい商売戦略なのだそうだ。日本では価格設定してある値段に対しての値交渉をしない。なぜなら、原価を割るギリギリの価格設定なのだから。その代わり、割引券などで低価格のお得感で満足する。一方の諸外国では、値交渉は当たり前、「利益が出ないなら商品は売らない」は基本なのだ。

・・・さて、日付は変わって午前3時にパブは閉店し、真白とニナを左右に手を繋いで帰る。ソレを見た朝美さんは「親子みたいやわ」と茶化すが、本人は酔っていて恐らく記憶が無いはずだ。
どちらかと言えば、今の酔った朝美さんは自動的に動いて喋っているのだ。自分の意思は酔い潰れて眠っている状態の筈。故に、今「道中、気をつけて」と言った所で、朝美さんの記憶には残っていないのだ。恐らくは、気が付いたら家の戸口で寝ていた…と云うのが関の山だろう。
酔っ払いとは多聞にこう云う生き物なのだと、一括りにして良い位のものだと思う。
 娼館に戻る道中で帰りの客とすれ違う。確か極度の幼女性癖の男だったな。
「毎度!また違う子もどうぞ」そう声を掛けると、満足気に白い歯を見せ「アンタの店は最高だな!また次も頼むからな」と上機嫌だった。どうやら接客した奴隷の持成しは成功のようだ。リピーターゲットで、内心、この商売に対する手応えを噛み締めた。
真白とニナに手を振らせて客を見送ってから事務所に入った。まだ接客中の娘が居るものの、今日はまずまずの売り上げがあった筈だ。
「や、お帰り~」
事務机に肘を突いて暇そうにこちらに目線を向けるシビエナ。
「ああ、今日の売り上げはどうだった?」
「ん?まぁまぁじゃないかな?拷問や処刑とかのハードユーザーが居なかったからね。こんなものじゃないかな?」
金庫と帳簿を開けてその数字を見た。確かに、預金を切り崩さなくても良さそうな金額ではあった。
「ところで、アリア。そこで何してるんだ?」
アリアとは叔父から譲り受けた幼女奴隷だ。幼女というだけあって年齢は一桁、身体の線はまだ寸胴体型だか、しっかり教育が行き届いているのか、命令に忠実な『いい子』だ。左目の泣ホクロがチャームポイントだ。
俺の記憶が確かなら先ほどすれ違った客についていた筈だった。 その子が事務机の下に収まって懸命にシビエナの足を舐めている。
「おねえさまにあしをなめろっていわれました」
俺の視線がシビエナに刺さった。
「ほ、ほら。あたし退屈だからさぁ…ちょっとした暇つぶしというかぁ~…そう、接客教育なのよ。うん!次の客を満足させる為の調教なのよ!」
お前さっき退屈だとか暇つぶしって言ってたじゃん。
「まぁ、その程度ならいいけど、絶対に傷を付けるなよ!売り物なんだからな」
「へいへい・・・」
いつもの様に3の口だ。
事務所の別室はモニタールームを設置してある。接客部屋は個室の為に過剰なプレイをする者が居ないかチェックしなければならない。例えば、SMコースの客がエスカレートして拷問を始めたりする前にインターホンで警告をする…といったシステムだ。 コレは叔父のアドバイスで導入した。拷問は素人がやれば、事故死してしまう可能性が極めて高いと話していた。
客の行動をチェックするのもシビエナの仕事にしていたのだが、何故か用心棒であるエストが勤めている不思議がある。本人が良いなら遠慮なくやってもらうのだが、エストはマフィアからの派遣である手前やはり気が引けてしまう。
「お前ヒマ潰しもいいが、宣伝広告の仕事はちゃんとやってるんだろうな?」
「とぉ~~~ぜんでぇ~~~す!」
そう言ってマウスをスッスッと動かし待機状態のPCをモニターに映した。そこにはブラウザ表示されたサイトのトップ画面があり、店の名前『fairy』がデカデカと明記され、店のメールアドレスと商品である少女の写真とプロフィールに加え、プレイコースが画像拡張子と動画形式で画面一杯に踊っていた。
所在地と価格料金だけが曖昧になっている。一応ICPOの査察を警戒しての配慮だろうが、この国は加盟国ではないのでリスクは少ない。あるとすれば、少女の写真を行方不明者として捜索する建前での査察はあるだろう。警戒すべきはその一点のみだ。
一応写真を斜めに見た限り、両親に売られただとか、天涯孤独な訳あり奴隷以外は載せていなかった。
脚を大きく開いて恥部を晒す真白の全裸写真も載っている。
『最後に詳細はメールにて問い合わせ』とあった。
俺の満足気な表情を認めて、シビエナが鼻高らかにどや顔をしている。
「うん、いいだろう。これを似た系統のサイトへリンクを張り巻くってくれ」
「ふふ~ん。もうここの他に別サーバーの5つへ登録した上に、ミラーサイトも同時にUPしているし、他のアダルトサイトの73サイトへリンクとバナーを貼ってあるよ。ついでにアフィリエイトもね」
たった一日の内にここまでの事をやって退けたシビエナの電脳技術は、本物と確信するしかなかった。
「一つ問うが、例えば警察関連の問い合わせにバカ正直に返答を返すのか?」
「そこも抜かりないよ。世界中で使ってる公共機関のIPアドレスとEメールをリストアップする自動プログラムを組んで、受信と同時にフィルタリングするようにしといたから大丈夫だよ。公務員の個人所有PC以外は撥ねれる仕組みね」
「・・・なるほどな。OK、納得した」
その言葉を聞いて『もっと褒めて』と言わんばかりに猫撫で顔だ。
「そうそ、あと次に奴隷の買い付け行くときは私も行くから…声掛けてよね」
「ん?何でだ?」
「決まってるじゃない。専用奴隷が欲しいからよ」
その言葉に驚愕した。
「めちゃ高いぞ?お前金持ってるのか?」
俺の問いにシビエナはPCを操作して別の画面を表示した。
「ん~…このユーロだから…ざっと日本円で3000万近く預金があるね。足りるでしょ?」
「な!なんでそんなにあるんだ!?」
画面を見ても数字の羅列が移り変わっているだけでサッパリ意味が分からなかった。
「ヨーロッパの銀行数店に改竄プログラム感染させてるの。そこから口座毎に利息をピン撥ねして、一定金額になったら私の架空口座に振り込まれるのよ」
そんな話を聞くと笑うしかなかった。もう少しコイツを大事に扱うべきだと反省してしまった。
「あ、ああ……連れて行くとも…約束だ」
「やったね♪」
心底嬉しそうな笑顔を浮かべるシビエナに新たな利用価値を俺は見出した様な気がした。
「だけど一度に大量購入は止めてくれよ。住まわす場所と食わす物が無くなるからな」
「わ~い♪」
有頂天なシビエナは馬耳東風だった。


翌日
敷地の入り口にある呼び鈴が鳴って目を覚ました。時計を見れば10時過ぎだった。
眠い眼を擦りながら向かうと、格子状の入り口越しに叔父が立っているのが見えて、慌てて招き入れた。
「叔父さん。突然どうしたんですか?」
「いやなに。首尾はどうかと思ってな…様子を見に来た次第だ」
「そうですか…事務所へどうぞ、コーヒーを淹れます」
「ははは、すまんね」
事務所ではシビエナが、デスクの後ろのソファーで毛布に包まって寝息を立てているのを横目に、別室へ招き入れた。
「ん?あの奴隷だけ事務所で寝させているのか?」
「ああ、いえ…アレは一応スタッフです。俺が酒場で客引きしている間に店番したり、ネットで広告宣伝したりする為に住まわせています。一応追われる身らしいので…」
「そうかぁ…子供だが役に立つのか?ここの奴隷とそう変わらんだろ?」
叔父の懸念も御尤もだが、その辺のあらましを掻い摘んで説明すると、一応納得してくれたようだ。
そういえば、叔父に聞きたいと思っていた事を思い出したので聞いてみる事にした。
「叔父さん。この町に病院か診療所はないですか?」
「ん?どこか悪いのか?」
「いえ…これから先、奴隷の体調不良や拷問での手当て等をしないといけないかと思って…」
「そうか、なるほどな。設備の整った病院なら隣の町に行かないとないな。一応闇医者は居るが、手術の腕はあんまり褒められたものじゃないし、誤診も多いらしいからなぁ…」
「なるほど…叔父さんの奴隷はその辺りどうしてるんです?」
「打たれ強く調教してるから殆ど医者には罹らないな。2・3日休ませて回復しなければさっさと処刑処分しているよ」
淹れたてのドリップコーヒーをフーフーしながらあっけらかんと言い放つ。俺の表情を見て何を考えているのか伝わったようだ。
「自然界じゃ弱ったモノから先に死んでいく…当然の摂理だと思うが、違うか?」
「いえ、その通りです」
「ここも同じ様にすればいい。拷問で死にかけているなら、優先的に処刑奴隷として売れば良い」
「そうですね…その方が苦しむ奴隷の為ですからね」
「そういう事だ。その方が利潤は高いだろう?」
「はい」
「まぁ、その辺を調べるなら朝美ちゃんに尋ねると良い。外科的な知識もあるからな」
昨夜の内に聞いておけばよかったと今更後悔した。
叔父に今までの帳簿を見せたあと、改装した敷地内のプレイルームなどを案内して回った。
叔父の目論見通りに事が運んでいる事に終始ご満悦だった。
最後に奴隷小屋を案内した。 中は12畳ほどの板張りの床に、元々廃品として残されていたパイプベッドを3つずつ並べ2段に重ねて溶接された寝床は、子供なら上下で10人は寝られるスペースを確保している。そしてシャワールームとトイレ、洗面台を一体にしたシステムバスが部屋の片隅に備え付けられている。一応消耗品の歯ブラシ2本とレモン石鹸は与えている。キッチンは奴隷に火を使わすのを避ける為に、あえて取り付けていない。シャワーや洗面台の水は雨水を蓄えるタンクから供給する仕組みにした。
中に叔父と踏み入ると、目を覚ましたレイナとニナが飛び起きて、入って来た俺と叔父にその場で土下座した。いずれも叔父から譲り受けた奴隷なので面識はある。ニナは慌てて真白とカーリィ、レイナはアリアを抓って起こすと、寝ぼけ眼で辺りを見回し、俺と叔父の姿を認めると素早く低頭姿勢になった。
「あれらは調教が足りないな」
「はい。…真白、カーリィ、アリア、その三人はお仕置きだ。ニナとレイナは準備しておけ」
「「はい!」」
元気よく返事をするニナとレイナとは対照的に、3人は顔を見合わせてバツが悪そうにベッドから降りて、先に立ち並ぶニナ達同様に列へ並んだ。
少女達全員白いワンピースをスッポリ被った格好であった。
叔父は指を上向きにクイクイと曲げるジェスチャーをすると、少女たちはその意図を察して自身のワンピースの裾を剥ぐって中身を晒した。 どうやら奴隷が服を着ているのが気になった様子だ。
どれも下着など穿いていない素っ裸で、無毛の痴丘に走るスジを晒した。一番幼いアリアなど、丸いお腹が更に幼さを際立たせ、まだまだペド向きな体型である。レイナに至っては、子宮から漏れ出した精液が、動いた事で漏れ出して内股を伝いだした。
叔父はその様を認めると一応満足した様子で、踵を返して小屋を出ようとしていた。
「お仕置きの準備を忘れるなよ?」
そう言い残して叔父の後を追う。

「いやぁ正直心配していたんだか、形になっているな。安心したぞ」
出入り口に歩きながらそういった。
「至らない事ばかりですが…」
さっきの奴隷調教面の不備をあからさまにされて恥をかいてしまった。
「…奴隷の餌はどうしてるんだ?」
「一応、吹かしたジャガイモを与えています」
隠しても仕方ないので正直に答えた。
「その辺も経費削減できるな…」
「叔父さんの奴隷は何を与えているので?」
これ以上の削減が出来るとも思えんが、一応訊ねずには居られない。
「屠殺処分した奴隷の肉と、自分でひり出させた糞が主食だ。もっとも食糞は毒素が溜まるし、栄養価が低いから3日に1回程度だが…後は小川や畑の罠で、野生の魚や烏を捕まえさせて、それを餌にさせているな。畑の野菜は市場に出す為だから出来の悪い物だけを払い下げている」
 確かに叔父のいうやり方ならば一切無駄がない。 こっちでも出来る範囲で踏襲する事にしよう。幸い叔父の元奴隷が居るので要領は分かる筈だ。
「それと、調教面で分からない事があればここに連絡してみるといい。わしの名前を出せば知り合いの調教師が力になってくれるだろう」
そう言って電話番号とメールアドレスの書かれたメモを手渡された。
「何から何までありがとう。恩に着ます」
「可愛い甥の為じゃからの。じゃ、一杯やって帰るとするよ」
俺の誠意が伝わってか、白い歯を剥いてニカっと笑い出入り口から出て行く。その背中に頭を下げて見送った。
振り返ると後ろに寝ぼけ眼のシビエナが立っていた。何故か奴隷達用のワンピースを着ているが、それがまたサイズぴったりなのが感に触る。
「…誰?」
「俺の叔父で同時に恩師だ。酒場で会うかも知れないから、会ったら失礼のない様にしろよ」
「…ん~」
聞いているのかいないのか、シビエナはゆっくりと俺の前まで来て膝立ちになってチャックと下ろす。
「おい!?」
「血圧上がんない…一発付き合って」
そう言いながらもボロンと取り出した息子を魚肉ソーセージのように加えて舌を絡めて吸い出した。
「ちょっ!?おい!」
俺の息子は意思に反して一方的な刺激に勃起してしまった。フェラチオの間も自身の股間に指を這わせて卑猥な音を立て始める。案の定下着を着けていなかった。
くちゅくちゅと唾液を絡めて、口を離すともうギンギンだった。
立ち上がったシビエナは、俺の肩を掴み太股に脚を絡めて攀じ登り、身を乗り出して息子を自身の中へと導いた。
「はぅん♪」膣口で一旦抵抗を見せるものの、体重を乗せて腰を沈めると、圧迫感とともに俺の息子をしっかり呑み込んだ。伊達に年はとってないようだ。
四肢を背中に回し抱きついて離れようとしない。動いても無いのに膣をキュンキュン締めて、精液を搾り取るように息子を刺激していく。シビエナの体温が徐々に高まっていくのが息子越しに伝わっているのが良く分かる。
シビエナは俺にしがみ付いたまま腰をグラインドさせたり、前後に振ったりと刺激を求めて興奮していく。 どうもこのまま解放してはくれない様子なので、そのままシビエナの身体を抱えて事務所まで戻る事にした。息子から伝わる快感に歩き難いったらない。
気分をやってしまうと、直ぐに射精してしまいそうだったので、極力意識を外す努力をする。
暗殺や電撃突入の時は排便、入浴、性行為の瞬間を狙うと聞いた事がある。寝首を掻くのは実は非効率らしい…プロは寝る時ほど用心を怠らないそうだ。
…確かにこういう状況で襲われたら対処出来ないな、と不覚にも痛感してしまった。
事務所に入るなり、シビエナは愉悦に浸った嬌声をあげて、一心不乱に腰を振って男を貪り求めた。
日本人である俺は、女がここまで狂ったように乱れられると、逆に引いてしまう。 シビエナは喚きこそしないが、よがり方がまさにそれだ。既に小さくイッた感触を息子が感じとっている。それでもまだ足りないのか再び腰を振って射精を求めてくる。
抱えたままでは仕方ないので、シビエナの身体をソファーに横たえると、身体の体勢が安定したのを感じてか、しがみ付く力が緩んだのを認めた。満足させないと離してくれそうにないので、俺の方から腰を振ってシビエナを犯す事にした。 正直なところ自棄(やけ)になっている。
「あっっくぅぅん!」
体内に広がる快感に蕩けた表情を浮かべ、満足りた嬌声で絶頂を迎えるシビエナの体内に精をブチ撒けてやった。 カクカクと腰を痙攣させ余韻を愉しんで、精液と涎を垂らして呆けている。
幼い外見のシビエナのそんな姿を見ていると、何故か罪悪感を覚えてしまう。
まさか寝起きでセックスを求められるとは思わなかった。
それがまた気持ち良かったから、余計に負けた気がするので釈然としない。
ズボンを直して奴隷の再調教の方に足を向けた。

 拷問部屋にやって来たが奴隷たちの姿がない。
一応お仕置きの準備は整えられているので言い付けは守ってあるようだった。
そういえば、毎日の日課で使った個室のルームメイクをやらせているのを忘れていた。奴隷達はきっとそれをしているのだろう…。恐らくは俺を待っていたのだろうが、シビエナに時間を費やし過ぎて、自分達の判断でそっちを始めたのかも知れないな。確かに『準備していろ』としか言っていないので、それを咎める訳にはいかない。あくまでも俺の都合なのだ。寧ろ、ルームメイクを優先しなければ、他の二人でやる負担が増えてしまう。それはそれで正しい判断だと俺も思うので気長に待つ事にする。
 そんな事を考えて煙草を吹かしていると、カーリィとアリアが部屋に入って来た。
「ルームメイクは終わったのか?」
俺の問いかけに年長のカーリィが応えた。
「もう少しですが、先に来ました」
俺も一度に3人をお仕置き出来ないので、別に今真白がいないのは然程問題ではない。
まぁ、来客に気付かずに醜態を晒した罰なので反省さえすれば良いのだが、こういう事は身体に分からせるのが一番効果的なのだ。
「よし、じゃあカーリィからだ。アリアはそこで見ていろ」
俺の言葉でカーリィだけが傍まで来た。後ろを向かせ備え付けのロープで簡単に手首を縛る。俺は元々一般人なので本格的な正しい縛り方など知らない。なので、後ろ手に縛れればそれでいい位の感覚の括り方だった。
手の自由を封じられたカーリィを抱え上げて、傍にある三角木馬の背に乗せて跨がせた。運動不足の俺でも所詮は子供…そのくらいの重量は楽に抱え上げられる。
木馬の足元には、長さを調節できる鎖足枷が備えられ、それを両足に嵌めてやる。鎖に錘を引っ掛けて足を引っ張れるが、今夜も働いてもらう為に無用な怪我は避けるべきとの配慮だ。
「あうう・・・」
それでも股間を苛む苦痛は計り知れない。
ちょうどカーリィのお仕置きが出来上がった所で、仕事を終えた真白が到着した。
「良いタイミングだな。次は真白だ。こっちに来い」
「は、はい!」
真白を呼びつけるとうつ伏せに寝させて、部屋に備え付けてある手足を連結する環枷を四肢に嵌めた。この状態で右手は右足に連結され、左手は左足に連結されている為、当然腕は伸び、膝は曲がる。
そこへ天井の鉄骨から垂らされたチェーンブロックのフックを、環枷に引っ掛けて吊り上げる。
宙に浮いた真白は背中を弓なりに反らせ苦痛に呻く。簡易的ではあるが立派な駿河問いの完成だ。
先にも言った理由でその背中に錘を乗せる事まではしない。
「次はアリアだ」
呼ばれて何をされるのかビビリつつも、俺の命令に従うアリア。
カーリィと真白、二人の間に位置するスペースで四つん這いにさせた。
「何があってもその姿勢は崩すなよ」
アリアにそう命令すると、俺はアリアの背中に腰を下ろした。
潰れそうになるアリアは、歯を食い縛って呻きつつも、どうにか耐える事ができた様だ。
アリアの年齢的にもこれ位のお仕置きがベストだとの判断だ。体重をかける調節も利く上に、屈辱を与えるには、四つん這いは地味だが効果的な手法だ。
「崩したら尻を乗馬鞭で叩くからな!」
一応そう言ってアリアを脅しておく。
どれもこれも重さを利用した責めではあるが、やはり駿河問いと三角木馬は見ていて辛そうだ。
自分ではどうする事もできない状態で、呻いてひたすら耐え、赦しを請う意外に方法はない。
皆、叔父の元で経験はあるだろうが、そう簡単に慣れるものではないはずだ。
余裕こいて煙草を吹かしながら奴隷達の様子を眺める。
真白はびっしり汗を掻き、苦しそうに歯を食い縛って耐えている。カーリィも同様で珠の汗を浮かべて荒い呼吸を繰り返して痛みに耐えていた。
アリアもそろそろ限界が近い様で、つんばった腕がぷるぷると震えている。
俺は立ち上がってから、事務所直通インターホンで、ニナとレイナもここへ来る様にシビエナへ伝言した。それが済むと、体勢を取り戻したアリアの腰に座り直した。
体勢を立て直して、さっきより少しは楽なはずだ。
すると直ぐにニナとレイナがやって来た。
「お呼びでしょうか?」
「ちょうどいいから。お前らも見ておけ」
「はい」
本当はインターホンを使う口実だったが、良い機会なので見せしめにした。
ニナなどは不条理な死刑宣告も笑って受け入れるだろうから、本音ではこんな見せしめは無意味だと俺は判っている。
ちょっと退屈してきたので、アリアの尻を擦ってみたり、スリットに指を這わせたりしてアリアを困らせて時間を過ごした。
そろそろ限界が近い様なので、ニナとレイナにお仕置き終了を告げ、責めからの解放を指示した。
俺も立ち上がってアリアの頭を撫でて楽にするよう促した。
「これでお仕置きは終了だ。ここの片付けが済んだら小屋で休め」
その一言で皆、解放の安堵感で心と身体の緊張を解いた。

 事務所に戻って、大量購入したジャガイモを茹でながら、思案を巡らしていた。
叔父から紹介された調教師にコンタクトをとってみないとな。今はまだ叔父の調教済み奴隷だけだが、これから先は奴隷の入れ替えがあるだろう。その時になって慌ててたんじゃあ仕事にならない。やはり、所見はメールで早めに接触をしておこう。
病院の件も然り、叔父はああ言ったが俺の財産ではホイホイと調教済み奴隷は買えない。
先ほどの木馬に乗せたカーリィでも少しは傷になっている筈だ。
 ここは少なからず治療費を出してでも、長く回していかなくちゃならないだろう。
まだデータが無いから分からないが、仮に生傷を負ったホステスがついたら俺なら敬遠するだろう。
少なくとも、ちゃんとした処置をしていないと、客は指名しないと思う。
やはり、朝美さんにご助力願わなくちゃいけないのだろうな…。
腹を括って、手近な電話をキッチンまで引っ張って来てダイヤルする。
やはり中々出ないな…予想道り寝ているのだろう。
『…ハロー』
電話を切りかけたら繋がったようだ。声色から判断するとどうやらエストの様だった。彼女が居てくれるだけで、俺はどんなに助かっている事か…。
「いつもありがとう。朝美さんはまだ寝てるんだろ?…エストに訊いてみるんだけど、この辺に病気と怪我の治療ができる医者は居ないのかい?」
『・・・そう言われれば居ませんね・・・』
「朝美さんが起きたらその事を尋ねたいと伝えてくれないか?」
『分かりました。伝えておきます』
「それと、今日の営業は21時からにするから、いつもよりノンビリして来てくれ」
『了解しました』
「じゃ、そういう事でよろしく…」
受話器を置いてから、グラグラ煮立つ鍋の火を弱め、塩を適量投入した。
長年この町で活動しているであろうエストが、知らないんじゃ望み薄かもしれないな・・・。
昨晩HIVの検査どうこう言ってしまったが、その辺も固めておかなければならない。
串をジャガイモに刺して、火の通りを見てから、大皿に移し替えた。更に上から塩を振りかけて完成だ。
ちょうどシビエナがやって来て、それを当然の様に食べ始める。
「夕方ごろにオークション会場に行くから準備しとけよ」
「ほふ!ほほふほほ、ほほほ」
何言ってんのかさっぱりわからん。
「あたしはいつでも良いよ」
そんな訳ないだろ。まさか先ほどまでの裸ワンピースのまま出かけるつもりか?よく見れば内腿を伝う精液が色んな意味で駄目だろ。
「一応シャワー浴びてちゃんとした服を着ろ」
「えええ~…この格好は楽だから気に入ってたのに…」
「ここに居る時は良いが、出掛ける時くらいはちゃんとしろ」
「う~い」
またもや口を3の形にするシビエナにちょっとイラっとする。
そこだけを見ると、とてもじゃないが俺より年上には到底見えん。

 シビエナとの約束で、奴隷オークション会場にやって来た。
とりあえず俺の言いつけ通りに、いつものゴスロリ衣装を着ていて、奴隷との見分けは出来る格好だ。
受付で入館を済ませてお品書きを受け取った。シビエナは一応俺の伴侶という設定にして同伴を許されている。 正直、今朝の中出しが一発必中していないか心配で、背筋が寒くなる思いで一杯だ。
今回は、調教済み奴隷を見ない事にする。利益が出ているとは言え、とてもじゃないが高過ぎる。
先ずはノーマルの会場に入ると既に会場は沸き立って、競り値を叫ぶ声が挙がっていた。
壇上には両手と両足にロープが渡された、アフリカ系の少女が競りに掛けられていた。ノーマルなので親に売られたか、戦災孤児を拿捕したといった経緯なのだろうと予想できる。黒い肌の五体満足な健康優良児である。
プロフにはスワヒリ語のみとなっているので、その子はスルーする事に決めた。 英語か日本語でなければ調教に差し支えるし、他の奴隷との意思疎通が難しいとの判断だ。 真白は基本的に日本語だが、少しであるが英語も理解できる様になっている様子だ。 しかし、成人男性の気分や心情といった部分はまだ理解できていないので、昨夜の様な反応なのだ。
次に壇上に上げられた少女はアジア人だった。 一重瞼に黒瞳黒髪、といった典型的なアジア人だ。 プロフには中華系アメリカ難民とある。言語は英語で、年は12歳だ。
俺は逡巡した後、年齢的にも申し分ないと思い入札を決めた。
傍らのシビエナはキョロキョロと会場内を見回して興奮しっ放しの様子だ。
競売は続き、最終的に俺ともう一人が一進一退の挿し合いとなって、相手が先に折れて競り勝った。
俺の予想金額を下回っての落札だったので得した気分だ。
俺はカード番号で支払いを済ませ、奴隷を受け取りに行く。一応一部始終をシビエナは観て流れを覚えている様だった。
「・・・と言う事で、俺はもう用はなくなったんだか?」
これ以上の散財は不要なのでシビエナに伺いを立ててみるが、やはり案の定であった。
「私のおもちゃがまだでしょ。帰れる訳がないじゃない?」
ですよね~・・・。
「このパンフに載ってるブロークン会場に行きましょ。調教済み奴隷も混じってるそうじゃない?」
まぁこいつの事だから、直ぐに飽きて壊してしまうだろうから、ソレが妥当かもな~。
 道中もパンフのお品書きを見ながら歩いて危ないったらない。購入奴隷を連れて歩くのは毎度面倒ではある。 そして、シビエナとブロークン会場にやって来た。
既に幾つかの競売は終わっている。着いた時には丁度先の競売が終わっている所だった。 変な空気を感じて側にいた人に状況を伺った話では、先の競売では壇上の奴隷に買い手が付かなかったそうだ。
壇上には両脚を失った生傷だらけの少女が男に支えられていた。
「買わないのか?」
一応、傍らのシビエナに聞いてみる。
「ん?何人も買っていいの?」
「スマン!愚問だった。忘れてくれ」
どうやらパンフの情報で、買う奴隷を予め決めている様だった。話が早くて助かる。
「いやっ!いやぁぁああああ!」
叫び声に視線を向けると、壇上の少女が青い顔で首を振り乱し泣き喚いていた。
少女を支えていた男が少女を袖の近くまで引き摺っていくと、暴れる少女をうつ伏せに倒し、掴んだ両腕を後ろに回して背中を踏みつけたのが見える。顔は袖の幕で伺い知れないが、袖にもう一人居るのは判った。
「いやぁあ!助けて!何でもしますから!誰かっ…」
ダン!と衝撃音で少女の言葉は忽然と途切れ、押さえ付けられた傷だらけの少女の身体が痙攣していた。大人しくなった少女を、そのまま袖に引き摺って男は視界から消えた。
その様をシビエナは爛々とした子供の様な瞳で見つめている。程なくして次の競売が始まると、ふい~と息を吐き、うっとりとした表情でシビエナは悦に入っていた。
俺は壇上に上げられた少女を見て驚いた。日本人であるのだが、ソレより驚いたのは、真白の妹の葵であった。真白が売られている事から事情は推測できるが、しかし何故ブロークンで競売されているのか判らない。見た感じは五体満足身体で身体も綺麗な少女のままだ。
一体どうして・・・と思っていると競売は佳境に近づいている様だった。
「130$!」いつの間にかシビエナも俺の入札カードで参加していた。…なんて強かな奴だ。
別の入札者が高値を叫ぶ声の方を見ると、例によってあのドSマダムだった。 あのおばさんは日本人に何か恨みがあるのだろうか?何か固執している様にすら感じるぞ。真白といい葵といいこのマダムは日本人奴隷の収集家か。
シビエナとマダムが睨み合い、火花を散らすのを観ていると、こっちが呆れてしまう。
しかし、シビエナには是非とも葵を落札して貰いたいと、密かに応援しているのは秘密だ。
程なくして決着がついた。 些か意地になったシビエナの勝ちだ。支払いと受け取りをするのに態々マダムの側を通って「ふふ~ん」と勝者の余裕を見せつけるシビエナ。 それを見てマダムは口惜しそうにハンカチを食い縛っている。 子供の喧嘩かよ。
 シビエナは葵を連れて元の位置に戻ってきた。さっそく葵に日本語で話しかけた。
「葵!無事だったのか!?」
目線を合わせて肩を掴むと、きょとんと首を捻った。
「え?」
まさかと思いパンフのプロフを確認すると予想通りだった。『重度記憶障害』『認知症・要介護』とある。
「お前、全部忘れちまったのか?」
「?」と、首を傾げて反応を覗い知る事はできない。
 ・・・つまり、葵は俺や真白の事は勿論、自分の名前も日常も、もしかしたら言葉も忘れてしまった可能性が高い。認知症となっているという事は記憶した事を短期間で忘れてしまう事を表しているのだろう。 ブロークンに出品されていたのはこの事だったのか…。
どうしたら良いのか分からないまま葵を見つめていると、シビエナは又も競売に参加しているではないか。 壇上の少女は金髪碧眼の白人で12・3歳位の少女だ。身体自体に傷はないが、両肩から先が欠損していた。 脚だけが一定の長さのロープで括られている。
 シビエナはまたも白熱した入札で彼女を競り落としてしまう。
ホクホク顔で受け取りに向かうシビエナの後ろ姿に「もう買うなよ!」と釘を挿しておく。
正直奴隷の受け入れオーバーだ。
意気揚々と軽やかな足取りに着き従い、金髪少女は抑揚のない顔でついて来る。
「ほら、もう帰るぞ」
「待って!」
「ん?なんだ?」
「まだ少年奴隷買ってない…」
「却下だ!!」
シビエナの言葉を即座に切り捨てた。
やれやれ・・・シビエナにも食費を出させてやらんとワリに合わんぞ。
葵の今後もあるだろうが、先行きの不安は未だ解消されない・・・。

Cross world. / 新天地3 了

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