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イリュージョン / 卯年編予告

「なぁ?知ってる?」
「ん?知っているもなにも、何の話だ?」
「もうすぐ年明けだけどさ~。年明けのTVって、新年特番の隠し芸とかでマジックショーとかやるじゃん?」
「あー。毎年やっているよね~。それがどうかした?」
「あれさ、剣とか刺した後は結局『はい!無事でした~♪』ってオチで終わるじゃんよ?」
「あ~…いや、それ以外に落とし所があるとは思えんが?」
「インターネットの都市伝説らしいんだけどよ?本当に人間を殺すショーがあるらしい。それが大金持ちの間では流行ってるんだってよ~」
「都市伝説なら眉唾モノだが、何故大金持ちの間だけなんだ?マフィア絡みのダルマ女みたいなものか?」
「そういう類のモノだけど、ちょい違う。その殺人ショーを上演する所はバカ高い入会金を払って入会して、年間の会員費も目ン玉飛び出す位高いらしいんだけどよ、観た者はみんな癖になって金額なんてちっぽけに感じるそうだ。社会的な地位と莫大な財力が入会の条件だって話だ」
「ほう…そんなアングラな娯楽施設が本当に存在するなら警察や地域が黙っていないはずだが?」
「ばっ!わかんねぇかな~。その大金持ち達が捜査を妨害しているに決まってるだろ?警察だって人間だから何かしらの繋がりや黒い部分がある筈だろ?」
「まぁその辺は納得できるが、例えば入会したいと思ったらどうするんだ?お前なんか入会したい口だろ?そういう奴はどうするんだ?」
「何もしない。いや、何も出来ないというか…客の方からはコンタクトは絶対に取れないそうなんだよ。入会は店側が選んだセレブだけなんだとさ。後噂じゃ、脱税しているのも条件らしいぜ?」
「なるほど、客は絶対に店側を告発・口外出来ないシステムか。無闇に喋れば自分の脱税が発覚し地位や名誉・財産全てを失い社会的に抹殺されてしまうって事か…恐ろしい末路だな。脱税が入会条件なのも正義感や倫理の有無を試しているな…しかし、店側の情報捜査能力もずば抜けて高いなそれは…」
「でも噂じゃ、同じタレントが何度も死んで終わってんのに、毎回ステージに立つらしいぜ?それだけでもオカルトだぜ」
「案外、噂で情報が漏れて伝わってるんだな。どこまで本当か検証できないのは残念だがな」
「ああ~…俺も噂の殺人ショー観てぇ~」
「ははは。新年特番のイリュージョンマジックで我慢しな」
「う~。いつか絶対に招待を受ける大富豪になってやるぜ!」
「ま、がんばって出世しような。手始めに目の前の仕事を片付けろよ~」
「くぅ~…夢くらいみさせろよ~」
「ははは。がんばれよ~…おっと電話だ。…はい!××です…」

『いつもお世話になっております。魔界館です』
「あ、いつもどうも!」
『来春元日より毎年恒例の新年兎年イベントが開催されます。是非とも御来館頂きたくご連絡させて頂きました』
「ああ、はい!分かりました。こちらこそ宜しくお願いします!」
『御来館の際のパスワードをお客様の奥様の妹様の携帯電話番号に設定させて頂きました。お忘れ無き様お願い申し上げます』
「はい、了解です~。また寄らせて頂きますので、はい!それではまた後ほど…失礼します!」
「あ?客先接待の電話?お前ってマメだよねぇ」
「ふふん。じゃ、俺あがるから、あと宜しくな」
「おお~。おつかれさーん」
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イリュージョン/寅年アリーナ編

ここは会員制の魔術師の館。街の一角にひっそりと佇んだマジックショーの娯楽施設。
毎年恒例で、どのマジシャンもその年の干支に因んだネタを披露している。
この娯楽施設はマジックショーに留まらず、趣向を凝らした出し物も行っている。同じものではやはり飽きもしてしまうのが人のエゴというもの・・・。趣味趣向も人それぞれであります。
そこで今回は、賭博ジャンキーの好む地下アリーナへと、皆さんを招待したいと思います。
館の奥に階下に通ずる入り口には、美しい容姿のバニーガールのお出迎えで下に下りて行きますと、そこはもう広い空間の闘技場で御座います。
チケットをお買いになったお客様達は既にヒートアップし、観覧席は熱気に満ち溢れておりますね。
中央にはリングがありまして、それを取り囲う様に柵がありますね。あっ、触らないでくださいね。高電圧の電気が流れていますのでご注意ください。柵とリングの床にも熱線がありますので、中には入らないで下さいね。大怪我しますよ。
次の試合が始まるまでもう暫しお待ちください。
当方は真剣勝負のガチバトルですので、イカサマは御座いません。尚、お客様のお連れになった闘士も出場させられますが、命の保障は全くありませんからご注意を。ああ、言い忘れていましたが、キャットファイトのみなので、出場は女性限定とさせてもらっています。当然、敗者は勝者によって抹殺される事が多いですね。ですから、闘士も必死で戦う訳です。
リング上の武器はどれでも、何度でも好きなだけ使えますが、客席へ武器の投擲をした闘士は勝敗の有無に関らず処刑されます。それが例え事故であったとしても、処刑は執行されます。
使い慣れた武器の持ち込み使用も可能ですが、銃器や飛び道具・爆発物は客席へ危害が及びますので無条件でNGです。
おや?出場者が入場しましたね。
おお・・・彼女は当アリーナで無敗を誇る闘士ですね。全身に虎柄の刺青を施していますから分かり易いでしょう?しかし、彼女には一種の暗示と言っても過言ではないものなのです。 自分のイメージを虎と重ねる事で、その猛々しい猛獣の力を手にしているのです。 彼女が全裸なのは野性味を現しているのでしょうね。 その恩恵もあってか、彼女は俊敏に相手の攻撃を避け、傷を追うのは数える程でした。 豊満な乳房や引き締まった尻など、観客の目を楽しませる要素もありますね。
え?彼女の名前ですか?本名は存じませんが、ここでは闘技場の頂点であるため、『蒙虎のアリーナ』と呼ばれていますね。
もう随分長くチャンピオンの座に居続けていますので、対戦者が居ないのが現状でしたが・・・いやはや、まさか今日出て来るとは私も予想外でした。 あなた様は運が良いですな、ははは。この死合はそうそう見られるモノではありませんよ。
おっと対戦者が出てきましたよ?・・・おやおや、まだ子娘ではありませんか?私も初めて見る闘士ですが、はてさてあれでアリーナに勝てるのでしょうかね?ちょっとデータを調べて来ます。
黒く短いショートカットに、一見貧相とも思える身体つきに見えるが、しっかりと鍛えられた細くしなやかな身体である。アリーナと同様全裸であるが、首に金属の輪を装着していた。首全体を包むドーナッツ状のそれは、首輪と呼ぶには形状が異なっていた。
呆然と虚ろな瞳で闘技場に上がり、立ち尽くすその動きはどこか意思を感じられない節があった。 アリーナは娘に対峙すると、何かに気付いた様子を見せ、表情を曇らせるのであった。
 や、失礼しました。対戦者の資料を取り寄せました。 中々に興味深い娘ですよ?あの娘はお客様の出場奴隷ですね。 そのお客様に詳細なデータを戴きました。 なんと、あの娘はアリーナの実の妹だそうです。 高値で買い取って闘士用に調教と洗脳を加え、完全に自我を消しているスペシャル仕様の殺人奴隷との事です。名前はイリーナですね。
オッズはアリーナ優勢ですが、これははてさて…勝敗が分からなくなりましたよ。
試合開始の銅鑼の音が打ち鳴らされようとした時、天井からヒラリヒラリと黒いマントが闘技場の上に舞い落ちた。
観客一同は困惑していると、マントがモゴモゴと独りでに動き出し、盛り上ったかと思うと、マントは翻り、そこにはマジックステージで人気のシニガミ導師が立っていた。
そして、胸ポケットからハンカチを取り出して空中に放り投げると、ポンと弾けて煙の中から少女が姿を現した。金髪をサイドツインに纏めた赤眼の少女は寅年に因んだコスプレ衣装である。これまたマジックステージNO.2のマジシャン。ルル嬢であった。
「はいはいはーい!今回、私たちは飛び入り参加しまーす♪」
開口一番ルル嬢の元気な声が闘技場に響き渡った。ルルの言葉にシニガミ導師がコクリと頷く。
会場がざわざわとどよめいた。
『突然の乱入ではありますが、この死合いに限り、バトルロワイアル形式で行います。最後に残った者が勝者となります』
司会者が運営の意向を読み上げ、電光掲示板にシニガミ導師とルル嬢の名が表示された。
なんとっ!?これは予想が困難な対戦カードとなりましたね。 
 最後に生き残るのは一体誰か!? 観客の熱気はヒートアップし、今世紀最後の対戦カードがいま切って落とされる!?
 お客は券売所に殺到し、他のステージインターバル待ちのお客も噂を聞きつけて集まってきました。 今までに前例が無い金額が今夜動く事でしょう。
リング上では4者の睨み合いが続きます。といっても、シニガミ導師は仮面で表情は分かりませんし、イリーナも機械の様に無表情の為、感情を露わにしているのはアリーナとルル嬢だけでした。アリーナは毎死合いの最初で、トラの様に呼吸を荒げて脳内物質を分泌しています。これは彼女が死合いに臨むルーチンですね。
ルル嬢はというと、衣装に挟んであったハンカチをしゅっと引き抜き、ヒラヒラさせたあと、ハンカチを持った手ごと自らの口に頬張ったかと思うと、上を向いて口を開け、手をゆっくり引き抜いていくと、手に握られていたのは剣の柄だった。剣をゆっくり引き抜いて、洋剣の刀身を自らの身体から取り出して見せて、喝采を浴びるルル嬢。刺突剣のレイピアとはいえ、その柄鍔は豪華な装飾を施され、細い刀身は諸刃で研ぎ澄まされているので、どういうカラクリなのか全く分からなかった。
おや?イリーナ側のサポートからリングに武器の搬入がありますね。
イリーナの投身はあろうかという程の、武器としては巨大な蛮刀であった。 それを受け取ると小枝でも振るかの如く軽々と振り回していた。 それを見たアリーナは苦い表情を浮かべた。
どうやら、アリーナは気付いたみたいですね。 え?お客様もお分かりでないですか?それでは説明致しましょう。 普通に考えて、成人男性でもあの巨大な蛮刀を扱えない筈なのです。それを、あんな小娘の細腕が持ち上げられる訳がないのです。そこには理由がある筈ですよね?答えはあの首を覆うドーナッツです。あのドーナッツは人間の潜在的に抑えた力を解放する・・・リミッター解除装置を兼た意思操作装置だそうです。つまり、イリーナはあの身の丈はある蛮刀を全筋肉を全力で酷使して使っているのです。当然筋骨組織を傷め続ければ、再起は不可能な状態になるでしょうね。
そこまで気付いたかは分かりませんが、身体に相当な負担が架かっている事だけは気付いたでしょうね。
そうでなくとも実の妹と殺し合いの状態なのですからアリーナには辛いでしょうね。
え?ドーナッツを壊せば元に戻るか?ですか?それは無理です。あのドーナッツは首筋から幾つもの電極が脳幹から脳内の隅々まで連結されています。特殊な外科手術でも取り外しは困難でしょう。ましてや、破壊した衝撃で脳内にスパークした場合・・・は、ご想像にお任せします。
オッズが決まった様子ですね。
アリーナ6.4倍 ルル嬢28.6倍 イリーナ22.1倍 シニガミ導師12.2倍ですね。 やはり1番人気は王者アリーナですね。その次がシニガミ導師ですか。数々の奇策に期待ですな。 3番人気はイリーナ。蛮刀パフォーマンスが人気を引き付けたのですが、ドーナッツ破壊の弱点を抱えている分不利の様です。 4番はルル嬢。イリーナと5.5しか差が無いとはいえ、所詮はマジシャンだという事なのでしょう。勝ち負けは厳しいと数字が表していますね。
 アリーナの高揚ルーチンが完成し、両手にククリナイフを手にした。ストラップを手に通して投げ出さない措置もしてある。
 筒元が死合開始を告げると、わーっと割れんばかりの歓声が会場を包み観客の興奮は最高潮に達した。 血で血を洗う命懸けのバトルロワイヤルが今、幕を切った!

 初めに動いたのはルル嬢とアリーナだった。 ルルはレイピアの3連突きをアリーナに向けて放ったが、アリーナは横っ飛びでそれを回避し、着地地点前に佇むシニガミ導師に右手のナイフを切りつけた。アリーナは初めから狙っていた動きであったが、刃先がマントを翳めただけだに終わった。シニガミ導師はその場を動いてない様に佇み続けていた。アリーナが着地と同時に地を蹴り間を詰め、両手の連撃を繰り出すがのらりくらりと体と歩を回し避け続ける。避けた先にルル嬢の刺突が飛んできたがこれも巧みに避けた。ルル嬢も加わり、二人の連撃を不思議な位ギリギリで避け続けるシニガミ導師。
追い討ちを繰り出す二人が、不意に左右に分かれ、導師は後ろに飛び退いた。三者の居た石のリングが爆発した様に砕け、陥没し、リング上に破片を撒き散らした。イリーナの蛮刀の一撃だった。
わーっ!と歓声が上がり、観客はその嘗て見たことも無い攻防戦で更に興奮の坩堝と化した。 全てが桁違いだった。
アリーナは間髪入れずに導師に飛び掛った。アリーナの俊敏さと力強さは、まさに猛虎のようだった。
ルル嬢も可愛らしい虎のコスプレに似つかわしくない洗練された動きに観客を沸かす。目標はイリーナに変え向き直ると、一跳びでイリーナへと肉薄し、レイピアの切っ先はイリーナの左太股を貫いた。
ルル嬢が「仕留めた」という表情を浮かべたが、すぐに危機を察知し、レイピアを引き抜こうとしたが、意に反して抜けない。イリーナは振り上げた蛮刀を横薙ぎに振り抜いたが、そんな大振りが武器を手放したルルに当たる訳がなかった。
と、思いきや、虎柄のモコモコビキニを引き裂いて小ぶりな乳房と乳頭を晒していた。咄嗟の事で、ステージで見せなれた部位にも拘らず左腕を抱えて隠した。観客の声援があがった。
一方、アリーナの斬撃を避け続けるシニガミ導師は、片手間でトランプのカードを石の床に投げ付けていた。どういう仕組みか、石のリングに3分の1ほど突き刺さっている。トランプに見えてもトランプに非ず。見た目にそれをうっかり踏もうものなら大怪我しそうだった。 撒き菱戦法は規定では禁止されてはいない。
しかし、歴戦のアリーナうっかり踏んだりせず、全て意識の中に残している。豊かな乳房を揺らし、両手のククリナイフを繰り出し続ける。恐らく当たるまで続けるだろうが、シニガミ導師を誘導するかの様な攻撃だった。導師の避ける方向には自ら設置したトランプ撒き菱地帯だが、導師は平然とそちらに避けていく。自ら踏んだトランプはクシャクシャに潰れていた。
それでも用心しているのか刺さったトランプをアリーナは踏まない。シニガミ導師の情報はアリーナには全く無い。手口を知らないアリーナは、意図してではなく本能的に危険の可能性を避けていたのである。
トランプ地帯での攻防で突然シニガミ導師が能動的な動きをした。その動きを察知したアリーナは一瞬身を固くし、防御姿勢をとろうとした。導師はその場から大きく飛び退いて、パチンと指を鳴らした。
リングに刺さったトランプは一瞬にして剣へと姿が変わっており、刀身が上を向いて剣山の様になってアリーナの足を刺し貫いていた。観客の驚愕の声が揚がった。
アリーナ本人もまさかトランプが剣に変化するとは予測の外であったため、シニガミ導師に向けた防御姿勢は功を奏さず、要の足を負傷し、俊敏な動きを封じられてしまった。 しかし、歴戦の勝者はすんなり敗北を認めなかった。足を貫く刀身の腹をククリナイフの背で打ち折ると、直ぐにその場から跳び下がった。傷口からドクドクと鮮血がこぼれ出す。
先の剣山地帯をルル嬢がするりと通過し、また爆発的にリングの一部を破壊した。 イリーナが2撃目を振り上げると、土煙の中から剣が飛び出し、右胸に深々と突き刺さり、鮮血を散らせた。 そんな事はお構い無しに2撃目の蛮刀を振り抜いた。更に臍の左横へ新たな剣が突き刺さる。それでも反撃の重たい一撃を繰り出し続け、素早く逃げ回るルルを追い掛け回す。
 シニガミ導師がカードを何も無い空間から取り出す。クルっと回すとカードはB5サイズの下敷きの大きさになった。更にクルっと回すとB2サイズのスケッチブックに変化した。 スケッチブックには剣の絵を描いてあるのを客席に見せた。
スケッチブックを掲げ、ルルに追い討ちかけつつ横を通り過ぎるイリーナの背中をさっと隠すと、イリーナの背中にはスケッチブックに描いてあった剣が刺さり、胸までを貫通しているではないか。 代わりにスケッチブックは白紙になっていた。
それでもイリーナは華奢な体に似つかわしくない蛮刀を振り回し続ける。小さくカワイイ口元から真っ赤な血が伝い落ち、誰がどう見ても重傷だが、関係なしに動き続ける。
ルル嬢の避けた先にはアリーナが身を低くして待ち構えていたが、ルルの注意はイリーナだけに絞られて居るのか余裕の表情だ。 そこへアリーナは地を駆る獣の様に縮めた四肢を爆発させ跳びかかり、両のククリナイフを鋏の様に一閃させ、空中で身を翻して猫科動物さながらストンと着地した。続いてボテンっとルル嬢の細い左腕が鮮血を撒き散らし、リングに落ちた。ルルは体勢を立て直しつつ、真紅の眼でアリーナを睨むと、一瞬にしてアリーナの全身に鳥肌がたった。
本能的に身の危険を察してか、素早く距離をとり、間にシニガミ導師を挟む位置にアリーナは動いた。
シニガミ導師はスケッチブックを捲くると、次のページには三角木馬が描かれていた。木馬の下には丁寧に重り付きの足枷が描かれていた。ルル嬢はそのスケッチブックに見入ってしまい、注意がまたも散漫になってしまった。
身体を支えていた右腕までもイリーナに切り落とされてしまった。 あっと身を翻して距離を取ろうと跳躍姿勢に入った時、床からせり上がり股間を持ち上げられる反面、足は床に吸い寄せられる感覚にルル嬢は跳躍出来ずに焦った。
何の事は無いシニガミ導師のスケッチブックに描かれてある三角木馬にルルは捕まっていた。足には大きな重り付きの枷がルルの股間を木馬へと押し付ける。ルル嬢は両腕を切り飛ばされているので、この状態からの脱出は不可能であった。
木馬の上で身をよじって激痛に苦悶するルル嬢の姿は観客を沸かせた。
イリーナはルル嬢が戦闘不能と判断したのか、目標をアリーナに定めた。一回の跳躍で一気に間合いを詰めると蛮刀を振り下ろすがそこにアリーナは居ない。 アリーナも獣の如き跳躍によってイリーナの木馬に着地し、傍でルルの衣装を抜き取っていたシニガミ導師へナイフを振り、間髪入れずに木馬に囚われたルルの背中を蹴って距離を取る。
着地と跳躍の衝撃を受けて、ルル嬢はいつものマゾスティックモードになったのか、頬を染め自ら腰をくねらせヨダレまで垂らし始めた。
イリーナは更にアリーナを追撃する。シニガミの横を通り過ぎざま、一撃を入れようとしたが手にしたボールギャクをルル嬢に装着する行動で当たらなかった。 イリーナの大振りはシニガミ導師やアリーナに当たらないどころか通用しない。遂にイリーナは巨大な蛮刀を捨て、自分の腹と太股に刺さったままの剣を引き抜いた。胸を貫いている剣は背中から入っているのでそのままだ。 抜いた二本の剣でアリーナの追撃に移った。先程とは打って変わって鋭い斬撃を連発する。身体の捌きだけでは追いつかず、ククリナイフをぶつけて軌道を逸らすので手一杯になった。
後退しながらもシニガミ導師の方へと回避を繰り返す。導師は、ルルに対してどこから出したとも知れない棘鞭を振り、ルルの白い皮膚を引き裂いて赤く染めていた。ルルもされるがままに身をよじり、ボールギャグの穴から涎を垂れ流す。
アリーナは落ちていたルルの腕を、イリーナへ蹴り上げ一瞬の隙を作り、後ろへと大きく跳躍した。逃がすまいと振り下ろした剣の先にはシニガミ導師だが、これまた身を翻して避けられた。ガシャン!という大きな衝撃音。交通事故を彷彿とさせる音に観客は一瞬目を疑った。
イリーナの可愛いらしい顔の部分が大きな鉄球に摩り替わっていた。ドーナッツ状の首輪にめり込む形で鉄球が頭の様に乗っていた。ルル嬢の股間を苛んでいた足枷鉄球だった。ルル嬢は在りえない怪力を発揮し、足を振り上げて枷に付いた鉄球を突進してきたイリーナへ落としたのだ。当然受身などとれず、二人の身体はリング上に折り重なり倒れ込んだ。顔から無様に落ち、尻を上げた格好のルルは観客から喝采を浴びていた。とは言え、ルルの秘部も相当な重症だ。股関節は外れ、性器はズタズタ、外傷は数え切れない。最早、動くこともままならないだろう、だが、ルル嬢の顔には逸し報いた満足感を宿していたのに、ボールギャクのせいでどこか淫靡な表情だった。
一方イリーナは即死だった。運動能力を司る頭が丸ごと潰れてしまったのだ。もう二度と動く事は無いだろう。アリーナもそれは感じていたが、今は生き残る事を最優先に考えてシニガミ導師の死角へ接近していた。ルル嬢の最後っ屁には驚いたが、シニガミ導師は未だ無傷・・・チャンスは無駄には出来ない。渾身の一撃がシニガミに突き込まれた。
アリーナの一撃はシニガミ導師をすり抜けてマントに包まれた。振り解くのかと思ったが、マントはそのままぱさっとリングに落ちた。アリーナがリング上から武器を残して消えてしまった。
三角木馬の反対側の客には見えていた。何故かマントを空中に残したシニガミはイリーナの蛮刀を拾うために屈んでいた。
そこでマントに突進したアリーナは、マントに包まれ消えてしまった。蛮刀を軽々と持ち上げたシニガミ導師はルル嬢へと歩み寄り、背中を踏みつけ蛮刀を振り下ろした。 コロンとルル嬢の首が石のリングを転がり。頭を失った胴体はびゅくびゅくと鮮血を噴出しリングを赤く染めた。 ボールギャグを咥えたままの生首を高らかに持ち上げ、勝利の喝采を浴びるシニガミ導師。
観客の拍手の中、何かを思い出した様なおどけたポーズでジェスチャーすると、マントを拾い上げてババッ!と振る。そこには小さな鉄格子の檻に、身体を小さく丸めて詰め込まれたアリーナが出現した。当然身動き出来ない様子だ。
シニガミ導師はアリーナの詰まった鉄格子の箱を同じサイズのダンボール箱を被せて見えなくする。マントを一振りするとカートに乗った大きな串の束が出現した。 それを一本ずつダンボールへ差し込んで反対側へ貫通していく。まるで中身が何も無いかの様な手つきであっさりとダンボールを貫通させてしまう。ダンボールと突き通す時だけ抵抗をみせていた。
計六面全ての串を突き通し終わると、空中から出現させたステッキで箱をトントンっと叩くとダンボール箱は燃え上がり、あっさりと灰になって燃え散った。そこには鉄格子に詰まったアリーナが、全面から鉄串によって貫かれていた。出血などは見当たらない。シニガミは拾い上げたククリナイフをアリーナの尻に突き立てるとビクンと身を震わせた。まだ生きている事へのアピールだった。シニガミ導師はそのまま格子箱のキャスターを転がしてリングの外へと転落させた。激しいスパークが散り高圧の電気が箱と串を伝いアリーナを直撃させた。
シニガミは大きな黒布をアリーナの箱へと投げ被せると箱は消え、黒布だけが高圧電気で燃えてまたもや消失した。
再び黒布をリングの中央で広げてからさっと引くと、大の字に横たわった無傷のアリーナが出現した。高圧電流で失神しているのか意識が無いようだった。
左脇に抱えていたルルの生首をまた高らかに掲げ観客に見せびらかしてステッキでコツンと生首を叩いた。すると、リングの中央・・・アリーナへと矢の雨が降ってきた。それもドシャ降りの勢いだ。何百本の矢がアリーナを貫いただろうか。矢の雨は暫く続き、リングの中央は矢の山が出来上がっていた。当然その渦中であったアリーナはぐちゃぐちゃの肉片へと姿を変えていた。矢山から伝い流れる赤い体液がアリーナの末路を物語っていた。
わっ!!と観客から歓声と拍手喝采が沸き起こった。
なんと不敗を誇った獰猛な蒙虎は、矢によって射殺されてしまったのだ。
勝敗が決まった。シニガミ導師が無傷の勝利で、嘗て無いバトルロワイヤルは幕を閉じた。

 如何でしたでしょうか?お客様・・・ご満足頂けたかと存じます。
当館は優秀美秀なスタッフにより常にお客様を飽きさせない工夫をさせて頂いております。
また、特別な催しがございましたらご連絡差し上げますのでよろしくお願いいたします。
え?次回はルル嬢のステージが観たかったのに観られなくなった・・・ですか?
ははは。いや、失礼しました。ルル嬢は不死身ですので、次回は元気にステージに立ってまた何度でも死んでいる事でしょう。ご心配はありませんので、どうぞ御気軽にお越し下さいませ。
それでは、またの御来館の程を心より御待ちしております・・・。

イリュージョン/寅年アリーナ編 おわり

明けましておめでとうございますヽ(・∀・)ノ

新年明けましておめでとう御座います。
昨年は不況とは無縁の忙しさでほとんど手が付けられなかったのが悔やまれます。(特に年末)
今年はちゃんと更新出来るように頑張りたい1年となれば良いなと思います。
とりあえず着手はしているので、3日までにはUPできる様にしたいですね

《天国に一番近い場所 ~四~》


男は朝食を済ませると、樽の置いてある部屋へ、セシィとティナ、カチュアを連れ移動した。
いつもの様に重厚な扉の前で、幾つもの錠前を開して入る。
真っ暗な室内に呻き声だけが反響して何とも薄気味悪い場所だった。
男は照明を点け、一際明るくなった室内を見渡す、8つの樽が並べられ、その樽から目と口を塞がれた顔だけが生えている。いつもと違う点は、5つの樽にはPの目印がされている。おそらく、スミスの言っていた大使からの献上品なのだろう。
「拘束を解いてやれ」
三匹の奴隷に命令を下すと、すぐに行動を始めた。アキやリツ程ではないが、よく教育が行き届いている様だ。
8匹の少女が樽から出された。あの国の献上品全てに、尻に国のシンボルマークが焼印で捺されていた。
(あの中年オヤジ。スポンサー気取りか?)男の苦い表情が浮ぶ。すると、少女の一人が男に訊ねる・・・献上品の奴隷だった。
「貴方が私達の新しい御主人様でしょうか?」丁寧な言葉使い。
既に調教済みの、立派な奴隷の様だ。
「そうだ。しかし、ここはお前らにとって、人生の終着点だ」
「存じております」
献上品の奴隷5匹は同時に頭を下げるが、残りの3匹はさすがに表情を変えた。
「ちょっと、どういう事よ!私達を帰しなさいよ」
粋がる三匹。本来、男はこういった態度を許さないのだが・・・
「お前らは運が良い。見せたいモノがあるから附いて来い。
男は8匹を部屋から出し、同じ地下の7号室に案内した。
7号室には、巨大な台の下に大型の丸鋸が付いた機械があった。
「これが何よ?」鼻息も荒く赤毛の少女の一人が言う。ティナやカチュアは、男の機嫌を害すのを恐れ、ヤキモキしていた。すると、ヨウコとユカリが、冷凍マグロとなったリツを運び入れて来た。そのリツの姿にティナ、カチュアは勿論、セシィ迄もが息を呑んだ。
「ふん。どうせマネキンでしょう?」赤毛の一人が腕組して言い放つ。
ヨウコとユカリは、そっと台にリツを乗せると、機械のスイッチを押し、丸鋸を作動させた。
「人形かどうかは直に解かるさ」
男は軍手をはめ、リツの足を持ち、リツの頭から鋸の刃を入れ、股間までを輪切りにした。
身体の内部まで冷凍されていたリツは、その切断面から形は崩れる事無く、ひらきに成ってしまった。男は切断面を少女達に向け、アルコールを吹きかけると、白い切断面はたちまち透明になり、身体の内部を晒し出した。それを目にした途端、献上奴隷達共々、その光景に慄いた。
「見て解かる通り人間だ。名前はリツ。本来なら、お前達の中の一番生意気な奴が、こうなっていた筈なのだが、今回このリツが自ら志願し、こんな姿になったのだ」
言いながら、更にリツを分割してゆく男。献上奴隷もカタカタと足が笑っていた。
「説明は聞いているな?俺の命令に従わない者は、こうなるんだ。お前らは実に運が良い」
男は細切れになった、リツの右顔面を、赤毛の少女に投げ渡すと、呆然と突っ立っていた少女は反射的に受け取り、我に返るなりリツの欠片を悲鳴と共に放り出そうとするが、手に凍りついて離れない。すると、チョロチョロと失禁してしまった。
「おいおい、お前の命の恩人なんだぞ。丁重に扱え」
男は残り左半身にも鋸を入れていく。今度は、頭から踝まで5ミリ厚で横に切っていく。
「あのう。そのリツさんは、私達の代わりに死んだと言うことでしょうか?」
献上奴隷の一匹がおずおずと、そう訊ねてきた。
「そういう事だ。今回お前らはリツの死で救われたのだ。俺の気分を害しないようにしっかり明日へ、命を繋ぎ止めろよ」
言って、リツの破片をドロリとした液体に漬けてゆく。
その液体はコーティング剤で、染み込むと固まる特殊な液体だ。
男の言葉に献上奴隷は頷き、残り3匹の少女はぶるぶると震え、悪魔でも見るかの様に男を見つめる。男はその姿を見て取ると、「なんなら今からバラしてやっても良いんだぞ」と凄み声で赤毛の少女を見据える。赤毛の少女は、恐る恐るリツの右顔面を見、首を横に振る。
ユカリはリツの右顔面を受け取り、液体に漬けると、赤毛の少女の耳元で囁く。
「自分の粗相は自分でしないとね・・・」
言うなり少女の頭を、股間から広がる水溜りの床に押し付けた。
「綺麗に舐め取るのよ」
ユカリの優しい囁き。少女は己の小便に顔を顰め、一向に舐めようとしない。
「ここでは皆やっている事よ。でないと、惨めな死に様を晒す事になるわよ…」
その言葉を聞いてもやはり抵抗があるようだ。
「セシィ。手伝ってやれ」男の声がセシィを動かす。少女の所で屈み、小さなお尻を揺らしながら、少女の小便を舐め始める。その様は可愛らしい猫の様だ。
その様子を見て、少女も諦めた様に舌で舐め始める。その目は涙が溢れそうだ。
「ここで生きて行くには、モラルやプライドは捨てないと生きられないの」
ヨウコは他の少女達にも言って聞かせる。少女達の目線は、水槽に漬かったリツの破片だった。
小便の水溜りも無くなり、床も綺麗に舐めていたセシィを見て、男は
「その位でいいぞ。次はルリンの所だ」
そう言って、その場の奴隷と少女達を連れ、移動した。

ルリンの姿を見るなり、少女達の表情は驚愕へと代わった。
「凄いだろう?こんな姿でも生きている。と言うより、生かしている」
男は、ルリンの少し縮んだ腹に指を這わせながら、今までの経緯を説明する。その間、カチュアはルリンにマウスプラグを装着させ、その開きっぱなしの口に漏斗を乗せた。
「姫、久々の御食事ですよ」
男はカチュアに目配せすると、カチュアは自分の喉に指を突っ込み、漏斗の上で嘔吐し始めた。
カチュアの嘔吐物は漏斗に吸い込まれ、ルリンの口腔内へ注がれる、ルリンは呼吸が出来ない為、口腔内の吐瀉物を、飲み込んでゆく。ゴクゴクと喉を鳴らす様は良い飲みっぷりであった。恐らくカチュアの胃酸で、喉が焼けているのだろうが・・・
全ての嘔吐物を飲み終え、ルリンは激しく胸を上下させ、粗い息を吐いている。
それを見ていた少女の一匹は、貰いゲロしそうに呻くと、ヨウコが漏斗まで連れて行き、そこに吐き出させた。又もやルリンの口に吐瀉物が満たされる。一息入れると今度はティナに吐き出させ、それを飲み終えると、漏斗を外し、マウスプラグの栓をし、ルリはその日の食事を終えた。
 そして、今度はバラ鞭を少女達8匹に渡し、ルリを叩く様に指示する。
献上奴隷達は抵抗無く叩いてゆくが、3匹の少女達は、やはりこんな形の.ルリンを、叩く事に抵抗が有るようだった。しかし、男の一瞥に意を決し、叩き始める。
暫らく鞭の打撃音が鳴り響き、その日のルリンは休める事にした。

「御主人様。少し宜しいでしょうか?」
新奴の担当を決め終わって、暫らくの時間がたった頃。いつもの様に、テラスでリンスを可愛がっていた男に、アキの空席を埋めるマユが声を掛ける。
「何だ?」
「スミス様が御帰りになる際、献上奴隷には特に監視を強めた方が宜しいと、言いつけられていたのでそうさせて頂いたのですが・・・」
男の眉根が上がる。
「ユキという奴隷が、どうもコソコソと屋敷内を嗅ぎ回って居る様なのです」
「他の奴はどうだ?」
リンスのラビアに施されたピアスを引っ張りながら男は問う。
「今の所、怪しい行動はそのユキだけで御座います」
「スミスの勘は的中か。早速処分するか」
男はマユにあれこれと準備をさせ、リンスにユキを呼びに行かせた。

「御呼びでしょうか、御主人様」
ほどなくして、リンスとユキがテラスに現れた。
「ああ。SMしたくなってな…お前達の按配も知りたい」
少し悪戯っぽくユキに話す。
「かしこまりました」
ユキはどうやら本当にSMをするつもりで居るらしい。
「リンス。ユキを縛れ」
男の命に従うリンス。マユの用意していた拘束具を手足首にはめる。ユキを連れ、ビーチに移動すると、足首にはめた拘束具にポールを掛けて足を開かせる。
ビーチにはマユが準備を済ませて控えていた。男もビーチに出て一言
「さて、ユキの処刑に移る」
その言葉にユキの表情が強張った。信じられないといった風だ。
「え?御主人様?私に至らない処が御座いましたか?」
身動き出来ない体勢でユキは男を見上げる。
「いや、無い。しかし、この屋敷の機密を探るのは良くないな」
煙草の煙を吐き出す男。ユキの表情が再び曇る。
「何かの間違いではありませんか?私は・・・」
ユキの言葉を遮り男は自分の言葉を重ねる。
「その鍛えられた筋肉、身のこなし、一人で居る時の眼つき。貴様は訓練された軍関係者だ」
「!!」
ユキの反応から察するに的を射ていた様だ。
「身元調査では田舎娘だが、恐らくは幼年期頃あの国の政府に家族共々捕われ、特殊捜査訓練を受けたのだろう。そして、家族の命を楯にとられ、ここに送られたのだろう?」
ユキの顔がみるみる内に青くなる。尽く図星のようだった。
 しかし、簡単に手の内を見透かされる政府もそうだが、こうも顔に出るスパイも役に立たないと思うが、15、16歳の小娘ならば仕方ないとも思う。
「ここに送られた献上品の奴隷全てが、貴様の様な輩だと見たが違うか?」
「・・・知りません」
言葉を慎重に選んでいるようだが、男にはその応えが肯定としか聞こえなかった。
「任務を失敗した今の貴様には家族は救えない。残念だったな・・・」
男の冷徹な言葉に、唇を噛締め、ユキの目から大粒の涙が毀れだす。
「しかし、貴様がここの情報を大使に渡せたとしても、貴様らの家族が助かる保証は何も無い。・・・しかし、俺ならば奴らから貴様の家族を取り戻す事が可能だ」
男の言葉を黙って聞くのみだったユキは、その言葉で瞳に希望を見出した。
「本当…ですか?」
小さく問い返した言葉に、男は笑顔混じりに頷く。
「条件はある。貴様が自ら死を望めば、家族を引き渡すように交渉しよう。そうでなければ、貴様はここで犬死だ」
男の申し出は交換条件というより、無茶な脅迫でしかなく、ユキは戸惑うばかりだ。
「最も、奴らを信じるか、俺を信じるかの違いだがな」
長い時間が過ぎた感覚。ユキは意を決したかのように力強く肯く。
「解かりました。貴方を信じます」
その言葉を聞いて男は満足げに肯くと、ユキの足の拘束を解き、マユの設置しておいた装置に促す。ビーチには槍が天を指す様に立ち、その脇に簡素な階段が据えられているだけのものだった。
それを見たユキはすぐに解かった様だ。要は階段を上り槍に串刺しになれと云う事だ。
ゆっくりと階段を上がり、槍の穂先を股間に宛がうと、男に視線を移す。
「約束は守って下さい」
そう言うと、ユキは天を仰ぎ、階段から身を乗り出し、重力に身を委ねた。
ユキの口から血塗られた槍の穂先が飛び出し、ユキの股間から口までを貫いた。その瞬間、男は即死したと思っていたが、ユキは足が地につかない状態で、身動ぎしている。相当苦しいのだろう、楽にしてくれと云わんばかりに足をバタバタと振るが、口と股間から大量の血が流れ出るだけだ。男は満足げにそれを眺めていると、リンスを呼びつけ、小さく窄まった肛門に己の剛直をねじ入れ、串刺しのままのユキを愛でながら、アナルセックスを始めた。リンスの身体中に施されたピアスが、シャラシャラと涼しい音を奏で、目前ではユキの身動ぎも力無くなってゆく。
ユキの消えかけた命が男の快感を増幅させる。ユキの意識が深い闇へ落ちる頃、男は己の欲望をリンスの体内にぶち撒けた。
「これは暫らくこのまま晒しておく。階段は片付けておけ」
マユにそう命令しておいて、リンスには口で情事の後始末をさせる。
男にとってリンスは、猫か何かの様な愛玩動物的存在なのだろうと、思わせる光景だった。

夕食を終え、献上奴隷にユキの末路を見せても、何のリアクションも無かった。恐らく自分たちの目論見がバレたのではないか。何か粗相をしたのでは?と思慮を巡らせるのは様々なのだろう。男は敢えてユキの正体を口にしなかった。まるで、献上奴隷が尻尾を出すのを楽しむかのように・・・。 しかし、最初男に食って掛かった赤毛の奴隷、コルテは顔を青ざめさせ、露骨に恐怖心を露わにしていた。
 ちなみにユキの処刑の後、スミスに連絡を取ったところ、献上奴隷の身内は全て殺されていたのが判明したが、それに対して男は何の感慨も受けては居なかった。既に殺されているのは男も重々予想していて、敢えてユキに自殺を薦める様な取引を持ち掛けたのだ。
男にとって、自らの命を投げ出す女の姿は、何にも代えられない快楽の一つなのだ。
 ユキは約束と言ったが、男はユキと何の約束も取り交わしてはいないのだ。なにせ、男にとっての奴隷とは消耗品でしかなく、自分の所有物位にしか思ってはいない。故に、約束とは自分と同格若しくは、それに近い立場の者と交わすモノと認知している。

男は自室のスクリーンモニターで、屋敷中の監視カメラで奴隷の仕事ぶりを眺めていた。
監視カメラと云ってもその大半は隠しカメラで、天井にある露骨なカメラの大半はダミーだ。
暫らくすると隠しカメラの一つ、掃除用具入れのピンホールカメラに、献上奴隷4人が映し出された。どう見ても密談にしか見えない。男はしてやったりと、録画ボタンを押す。
男の勘は正しかった。ユキの死体を晒し、献上奴隷に動揺を植え付けた。お互いに情報交換するなら今晩だろうと、タカを括っていたのだ。すると、案の定だった。
 スピーカーから中の会話が紡がれる。
「ユキは口を割ったのかしら?」最初に言葉を発したのはジルだ。
「それは大丈夫だと思う。じゃないと今頃私達も殺されているわ」答えたのはミハルだ。
「ユキが殺されたのはきっと何か粗相をしたんだと思うわ」今度はリンの声。
「何を根拠にそう言えるの?私達を泳がせているとしか思えないわ」メイが反論する。
「そう言われればそうかも…。これから私達も気を付けましょう」
リンの声で短い密談は終わりを告げた。怪しまれない為なのだろうが、もう遅かった。
男はテラスに下りて、大画面のテレビデオに先程のビデオテープを差し込み巻き戻す。
「あ、御主人様。お休みに成られたのではないのですか?」
その時、マユがテラスの片付けをしに現れた。
「いい時に来た、マユ。これを見てみろ」
言うなり先程の密談VTRを映し出した。マユは黙ってそれに見入ると、男に問う。
「いつ始められますか?」
マユの静かな問いに、男は嬉しそうに応えた。
「今からだ」
そう言うとマユにあれこれと準備の命令を伝えた。

30分後・・・両手両足を縛られた状態の、献上奴隷4匹がテラスに並べられた。
「御主人様。これはどういう事でしょうか?」
メイが自分達の仕打ちに対して、男に釈明を求めた。すると、男は先程の密会映像を映し出す。
ミハルとジルが、バツの悪そうな顔をした。既に自分達の正体がバレているのは明白であった。
「私達はやっぱり殺されるの?」
メイが問い掛けてくる。この島では愚問であった、だから、男は敢えて言葉にしなかった。
「では、死ぬ前に最後の質問を聞いて良いでしょうか?」。
「何だ」メイの冷たい声ぶりに、男の短い応答。
「何故貴方はこの隔離された島で、大量の奴隷を囲み、殺して、一体何がしたいの?」
メイの質問に男は眉根を寄せた。メイの質問は恐らく、捕われた身内の安否か、若しくはユキが正体をバラしたのか、といったものだとタカを括っていたのだが、まさか己の事を聞かれるとは思っていなかったのだ。
 確かに、死が確実になった今、今更家族の安否や、ユキの暴露が解かった所で、どうでもいい事なのだった。それよりも、この島の存在理由の方がよっぽど聞く価値が高いと判断したのだろう。男はメイの賢明さに心の中で賞賛していた。
「この島はある意味俺の為だけに、人工的に造られた島だ。だから、どんな地図にも載っていない。俺はこの島に外界から隔離されている身だ。そして、俺の身の回りの世話をさせる為、俺の意思に関係なく定期的に奴隷が送られてくる。ここに来る全ての奴隷は戸籍上抹消された者だけで、ここから出る事は許されていない。俺も人を人として扱えない性格上、処分せざるを得ない・・・それだけさ」男の独白だったが、メイは更に食って掛かる。
「だからと言って人をあんな風に殺すのは…」
メイの言葉は、今朝方冷凍切り身に成ったリツと、未だビーチで串刺しのユキを指していた。
「考えても見ろ、ここに送られて来るのが全部自分専用便器で、屋敷内が全部便所だったらお前はどう思う?ウンザリして何個かブチ壊すだろう?それでも便器は増え続けるんだよっ」
男は鬱積をぶつけるかの様にメイに吐き突けた。その見幕に一様に黙り込んでしまうが、暫らくすると、耐え切れなくなったのか、リンが静まり返ったテラスに口を開いた。
「いやっ!助けて。殺さないで下さい!どうか命だけは・・・何でもしますから!」
涙目になって必死で懇願するリン。一方の男は下げずんだ目でリンを見下ろすだけだ。
それでも何度も何度も己の非礼を詫び、命乞いを続ける。他の献上奴隷は見苦しいと言わんばかりの眼差しでリンを見つめる。
「わかった、貴様だけは殺さないで置いてやる」
根負けしたように男の呟きが洩れる。その声にリンは素早く反応して聞き返す。
「ああ。その代わり残りのブタ共の処刑をお前がやれ。それが出来れば、今回は貴様だけ殺さないで置いてやる」男の冷酷な言葉にリンは喜びを露わにし、他の奴隷は信じられないと云った顔をする。男がマユに顎をしゃくると、マユはリンの拘束を解いてゆく。
「有難う御座います。これから一生懸命ご奉仕させて頂きます!」
拘束を解かれたリンはそう言いながら深く頭を下げたが、男の態度は冷め切っていた。
「ああ。死なない様に一生懸命頑張って生き長らえてくれ」
「はいっ!」
男の言葉は少し含みのある言い回しであったが、リンは気付いていない様だった。

ジルの処刑の為リンとケイ、を連れ屋敷のプールを移動していた。残りの奴隷はテラスに残してきた。月明かりに照らされたプールの水面は静まり返り、鬱蒼と水面を漂わせている。
「何?私は溺死させられるって訳?」
足の拘束だけを解かれたジルが憮然と男に訊ねた。
「そんな面白味の無い事はしない。このプールには百匹程度のピラニアが泳いでいるんだ。そのピラニア達に食い千切られ死んでゆく様が見たいのだよ」
男の言葉に関係の無いケイの顔から血の気が失せるが、当のジルはやれやれといった風だ。
「さて、早速だが、リン。そいつの乳首を食い千切れ」
男の命令にリンは戸惑いながらも、抵抗出来ないジルの乳房を掴み乳首を噛み切る。
「ぐっ!」ジルのくぐもった悲鳴。
ジルの乳首を食い千切ったリンは、クチャクチャと噛みしだき嚥下する。
「どう?私の乳首美味しかった?」
皮肉めいた言葉を裏切り者に浴びせ掛けるジルに、リンは黙したまま答えようとしない。
「・・・リン。そいつの乳首は美味かったか?」
男の凄みの利いた問い掛けにリンはビクリと身体を強張らせ、
「はい。美味しかったと思います」男におずおずとそう答えていた。
「ふ・・・ではピラニア達もさぞ喜ぶだろうよ」男の嘲笑が闇夜に浸透した。
男の合図でリンがジルをプールに落とす様に指示した。一方ケイにはリンが妙な動きをしない様に監視のため側に付き添わせた。その時、ジルは足を踏ん張り、リンに抵抗を開始した。
腕が使えない分、抵抗といってもささやかなモノであった。しかし、追い詰められた鼠は猫をも噛むもの・・・縁側に追い詰めたれたジルは、渾身の力を込めて蹴りをリンに放つ。リンは辛うじてその一撃を避すが、運悪くその鋭いハイキックは側に居たケイの即頭部にクリーンヒットしてしまった。思いがけない衝撃にジルはバランスを崩し、自らプールに飛び込む形になってしまった。静かだった水面は水柱を上げ飛沫を巻き上げる。男はプールに歩み寄っていると、蹴りをまともに受けたケイがよろよろと立ち上がろうとしていた。脳震盪を起こしているのだろう、その足元は生まれたばかりの小鹿の様に覚束無い。すると次の瞬間、水飛沫に濡れた縁側に足を滑らせ、プールに落ちて更なる水柱を立たせる。
ジルから染み出る血の臭いに誘われ、ピラニアがジルに群がり捕食を開始した。
「いゃあああーーーーーー!」ジルの絶叫が闇夜にこだまする。
浮き沈みする度に血が溢れ、水に溶け出してゆくと、ジルは忽ち声も上げられない状態にまで身体を蝕まれているようだった。その様を見て男は興奮したのか、プール脇で呆然と立っているリンを押し倒し、いきり立ったペニスをまだ濡れていないヴァギナへと挿入した。
「ひぎっ!」リンの苦鳴がに混じり、今度はケイが暴れ出し悲鳴を上げた。
「あぷ、あぷ!御主人様…助け…てぇー!」
ケイの浮き沈みするその様子から重度のカナヅチだと伺えるが、男は助ける素振りすら見せず、ジルの変わりゆく姿を見ながら行為を続けている。
暫らくすると、ジルに群がるピラニアは減り、今度は新たな獲物・・・ケイに群がり始める。
「きゃあああああああああ!」
水中でもがいていたケイがジルの血溜まりで叫ぶ。ピラニアに身体のどこかを食い千切られたのだろう。その傷口から染み出すケイの血がピラニアの食欲を煽った。
男はケイのもがき苦しむ様を見てリンの子宮に白濁を注ぎ込むと、今度はリンのアナルに突き入れる。
 ケイが暴れるたびに群がるピラニアは増えてゆき、出血はその量を増していった。
「御…主人…様ぁ…た…すけ…てぇ…」
それでも救命を乞うケイの弱々しい声が男を益々昂ぶらせる。誰がどう見てもケイは助からない
と判断出来る状態だった。
 暫らくするとケイは腕を動かせない程、食われてしまったのだろう、浮き上がって来たのはケイの上半身だけだった。それでも、ケイは蚊の無く様な小さな声で救命を呼びかけていた。
胸に噛み付いた数匹のピラニアはビチビチと音を立て、それでも食らい付いた肉を千切ろうと暴れ廻る。男はリンの腸内に二発目を放出し行為を終えた。
一物をしまい終え、リンを立たせるとプールを後にした。
「ご・・・しゅじ・・・・んさ・・・・・・ま・・・・・・・ぁぁ・・・・」
食い千切りながら左眼に進入しようとするピラニアがピチピチのたうつ中、残った右目で男の背中を捕らえたまま、飛沫を上げる水面にケイは静かに吸い込まれていった。

「御帰りなさいませ。・・・あら?ケイはどうなさいました?」
マユはテラスに戻った二人を目にし、ケイが居ない事に気付いて男に問うた。
「さあ?プールで遊んでいるんじゃないのか」
その言葉を聞いてマユは即座に合点がいった様だ。
「リン。次はどいつを殺そうか?」
「誰だっていいじゃないの。遅かれ早かれ死ぬんだから」
男の言葉に応えたのはミハルだった。
「そうだな。じゃあお前に決定だ。そうだ、お前の死に様をメイにも見せてやる。ジルがどうなったか気がかりの様だしな」
そういって、マユに目配せした。すると、セシィが拳大の物体を持ってきた。マユは拘束されているミハルのヴァギナにローションを塗りつけ始め、それが終わると、今度はセシィの腕にもたっぷりと塗りつけた。準備が終わったのを見て取ると、ミハルが口を開いた。
「何をしようって言うのよ?」
「なあに、遅かれ早かれ死ぬんだから…その内分かるさ」
ミハルが先程言った台詞を男は皮肉って使った。ミハルは二の句が無いような顔をする。
セシィは持っていた物体を握り締め、不意にミハルのヴァギナに腕ごと押し込んだ。セシィの細い腕は肘まで埋まり、次に腕を抜いた時には握っていたモノは持っていなかった。
「な、何を入れたのよっ!」
「ふ、気になるか?冥土の土産に教えてやろう。今のは花火だ」
男の説明にミハルとメイが表情を強張らせる。
「よし、お前らそいつをあの木に吊るせ」
リンは勿論セシィ、マユにも命令を下すと、3匹は作業に取り掛かった。
しばらくして、いつぞやのリツの様な姿がビーチに浮かび上がる。
ヤシの木に逆さに吊るされたミハルは苦しそうに身動ぎしている。
男はテラスに戻って来たセシィの無毛のスリットに、いきり立った剛直を捻じ込もうとするが、濡れてもいないセシィの小さなヴァギナへの進入は困難な様だった。見兼ねたマユがセシィのヴァギナに先程のローションを垂らし、陰唇を左右に引っ張り開かせると、男の先端迄が進入した。
「セックスは初めてか?」
「・・・はい」
男の問いに恥ずかしそうに応えるが、無理も無かった。セシィはまだ11歳。初潮もあったかどうかも知れたものではない。
「いぎィ!・・・うぅんっ!」
つい先程迄優しいと思われた男は、いきなりセシィの狭く小さな子宮に剛直を捻じ込んだ。そして、セシィが痛がるのも構わずピストンを繰り返す。前後運動を続ける内、性器の結合部は大量の血が滲み出し、腰を打ち付けると血飛沫が飛び散り、セシィの白い腹を斑に彩っていく。
「リン。そこに置いてあるリモコンのスイッチを押せ」
ピストンをしながら男はそう命令をする。情事を見ていたリンは、不意に自分の名を呼ばれ慌ててテーブルの上にあったリモコンのスイッチに触れた瞬間だった。
ズパアーーーーーーーン!
リンの後ろ。ビーチで派手な破裂音が響き渡り、テラス一杯に紅い閃光が迸った。
テラスに居たリン以外はその瞬間を目撃していた。ヤシの木に吊るされていたミハルの腹が爆音と伴に破裂し、肉片と血飛沫、赤い火花を撒き散らした瞬間を。
ロープで括られた足は大腿部から残し、ぷらぷらと衝撃で揺れ、上半身は爆発によって千切れ、腕を後ろ手に縛られたまま、内臓をはみ出させ地面に転がっていた。
「落ちている物を拾い上げて見せろ」
ヤシの木で揺れている二本の足を、呆然と眺めていたリンは、男の声でハタと我に返る。慌ててビーチに走りミハルの片割れを抱えて戻ってくると、
「う・・・ううん・・・」
不意に上半身から五臓六腑を垂らしたままのミハルが目を開いた。
「わ!まだ生きているっ!」
予想もしなかった事にリンが慌てて落としそうになった。その間もずっとセシィとの行為は続き、乱暴に腰を突き動かす度に、セシィの苦鳴が響いている。
「どうだ人間花火になった気分は?」
「・・・何?・・・花火?」
男の質問にミハルは何がどうなったのか、状況が理解出来ていない様子だった。まさか自分の下半身は吹き飛び、足だけが木に吊られているとは思ってもいないのだろう。
「リン。教えてやれ」
「・・・私がスイッチに触った瞬間に、ミハルのお腹が爆発しちゃって、今のミハルは上半分だけの状態で、生きているのが不思議な位なの・・・」
恐る恐る説明するリンの言葉を受けて、ミハルは自分の腹に視線を移す。そこには白い腹は無く、醜く垂れた内臓がぶら下がり、鼓動に合わせ血流がビュッビュと噴出している様を目にした。
「いやああああああああああ!」
ミハルの空を裂くかの様な悲鳴が耳朶を打ち付けた。
「い、いや!た、助けて!死にたくない!」
今更のように命乞いをするミハルを愛でながら、男はミハルの恐怖をたっぷりと味わい、
「キャッ!・・・ハぁ」
セシィの小さな子宮に精液をぶち撒けた。剛直を引き抜くと、子宮内の精液がビュルッと漏れ出し、セシィは粗い呼吸を繰り返し、暫らく動けないでいた。
「リン。せめてもの情けだ、楽にしてやれ」
言われてリンはミハルをその場に落とし、はみ出した内臓を毟り取ってゆく。
「や、いや!止めてっ、内臓―――がっ!かは!イタっ!もう取らないで!」
ミハルは乳房をプルプル震わせ、左右に蠢く――――抵抗しているつもりなのだろう。
リンは次々と内臓を毟り取り、奥で躍動を続ける心臓に手を掛け、一旦動きを止めて男を振り返る。男は一つ頷いて先を促すが、ミハルは「やめて、やめて」と繰り返し懇願する。
「構わん。握り潰せ」
男の静かな恫喝に、リンは意を決して力一杯、手に力を送り込むと、ビシャっという音と伴に強烈な血飛沫がリンの身体に飛び散った。直後、ミハルの身体はブルルと痙攣し、空気の抜ける風船のようにスウーっと大人しくなった。止めど無く流れ出す血液は、まるでミハルの魂がとけ出しているかのようでもあった。
男は最後に、ビーチでヤシの木にぶら下がっているミハルの肉片を一瞥し、メイに向き直った。
「さて、待たせて済まなかったな。今度こそ貴様の番だ」
「私もあんな残酷な殺され方をされるのかしら?」
幾らか挑発的な物言いだった。その声色には脅えの色は感じられなかった。
「まあな。手を下すのは、あくまでも裏切り者のリンだがな」
ミハルの死体の前でヘタリ込んだリンは、呆然としていて男の言葉に反応すらしない。
「悪趣味な事を・・・」
「奴自身が、自分の命と引き換えに選んだ選択肢だ。何でもするからって、お前も聞いて居ただろう?」
メイの皮肉めいた言葉にも男はさも当然の様に言って除ける。メイには二の句が出なかった。
「ここはゴミが散らかっているから場所を移すぞ」
言うなり男はテラスを後にしようとするが、放心状態のリンを目にし、ツカツカと歩み寄り後ろから蹴りを放ち、そのままリンの頭を力いっぱい踏みつけた。勿論リンの頭は床ではなく、ミハルの死体の上にあり、精液が漏れ出す尻を高く掲げた状態だ。
「今すぐこんな姿に変えてやっても良いんだぞ!」
男は今すぐにでもリンを殺しかねない声ぶりで言い放つ。
「もっ、申し訳ありません!」
リンの脅えを含んだ謝罪に男は足を上げる。
「今度トロトロしていたらぶっ殺すぞ」
そうリンに釘を刺すとセシィを連れて、テラスを出た。

男とセシィが屠殺室に入ると、直ぐにリンが縛られたメイを抱えて入ってきた。先程の件が相当堪えたのだろう。部屋にはマユの用意した巨大な瓶が二つ並べられていた。
「リン。この中に入れて、そこの蓋をしろ」
男の命令で縛られたままのメイを瓶に入れ、5㎝程の穴の開いた蓋を閉め、ロックピンを挿し固定した。
「これで手榴弾でも投げ入れようって云うの?」いつもと変わらぬ挑発的な文句。
「そんな芸の無い事を何度もすると思っているのか?リン。そこのホースを引っ張ってそこの穴に入れろ」リンは言われるまま指示に従った。
「そこのレバーを倒して液体注入だ。瓶の半分位でいい」
リンがレバーを倒すとモーター音が響き渡り、ホースが蠢き瓶の中に液体を注ぎ始めた。
男は再びセシィを四つん這いにさせ、今度はキュッと窄まったアナルに剛直を突き立てた。セシィも心構えが出来ていたのだろう。事前にローションを塗って居たらしく、どうにか男を受け入れたが、肛門の皺は伸び切り、幾らか切れてしまっていた。
「ぎゃっ!熱いぃ!」
突然瓶の中に居るメイが叫んだ。それもその筈、瓶に注入されている液体は只の水ではない・・・硫酸だった。硫酸をまともに浴びたメイの肌が焼かれズルズルと朽ちてゆくのだ。
やがて瓶の半分を硫酸で満たしたリンはレバーを戻し、酸の奔流を止め瓶の中を覗く。
 メイは歯を食い縛り、身体を溶かされる痛みに必死で耐えている。硫酸に浸かった身体はシュウシュウと煙を上げ、ぶくぶくと泡が湧き上がり、徐々にメイは溶けていった。
その一部始終を瓶に血塗られた両手を当て、溶けてゆくメイを胡乱な瞳で見つめるリン。
男は尚もセシィの肛門を犯し続けて居る。セシィは荒い吐息を吐いて、男の巨大な剛直をその小さな尻で受け止めている。やがて、メイの下半身が溶け、上半身も硫酸に浸かり始めた頃――
「あっ!ク・・・」
男がセシィの尻を熱い欲望で満たした。
下半身が溶けたメイは怨めしそうな眼で、中を胡乱に覗き込むリンを睨み付けていたが、ズルッと上体がずれてそのまま酸に浸かり切ってしまう。
「ああ・・・メイが・・・」と、思わずリンがか細く悲鳴を上げた。
自分が生き残る為とは云え、同志を自分の手によって殺める罪悪感に打ち拉がれている。
男はセシィに、己の汚物が付着した男根を綺麗に舐めさせ、その様を眺めて楽しんでいた。
メイが粗方溶け終わった頃、男は生命のスープで満ちた瓶の前で項垂れるリンに歩み寄り、そっとリンの肩に手をおき優しく囁きかけた。
「御苦労だった。お前はこれからずっと生きてゆける事を保証しよう」
男の言葉に何の反応も示さないリン。突然何の予告も無しにリンの意識が闇に落ち、その場に力無く倒れた。男がリンに手刀を食らわせ気絶させたのだ。
「セシィ。後の事はマユに任せておいたから、マユの指示に従え」
そう言い残して男は踵を返して部屋を出る。セシィはその背に静かに頭を下げて応じた。

リンクに掲示板を設置しました。

試験的に設置してみました。
参加自由なので思った事をかいて下さい。
文字はもちろん画像も張れるみたいですね。
僕は掲示板には投稿しませんが、投稿があった場合は、感想みたいなのは書き込む事があるかもしれません。
お題を立ててそれをリレー小説にするのも面白いかも知れませんね。
そんなスレが立ったらぜひ参加させてもらいます❤
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